９４話 ページ4
貴「ｧｯ...ﾊｧｯ...ﾊｧｯ...ﾊｧｯ....」
もう抑えるのを諦めたように、めぐみは肩から手を離す。だらんと垂れた腕は力が抜けているように見えるが、その先の拳だけは力が入り震えていた。
真昼「もう...逃げるのやめたら？めぐみ。」
永遠と続く真っ暗な地下水路。今はもう使われていないそこに、通るはずも無い風がめぐみの髪を揺らしたと思えば、それは真昼だった。
真昼「...貴方がいくら抗っても、貴方も、それを見てる周りも、苦しい思いをするだけ。でも、貴方が例えそれに呑まれても、誰も貴方を責めたりなんてしないわ。」
そう言った真昼は、
めぐみのよく知る真昼のようで。
覗き込んでくるその瞳が、
めぐみを心配しているようで。
つい、その一瞬、心を許してしまった。
ﾄﾞｸﾝｯ
貴「！！っ...」
瞬間駆ける悪寒に耐えきれず、ぎゅっと体を抱きしめていた。
肩から生えていた黒い羽がｸﾞﾆｬﾘと歪むと、次第にめぐみの体へと戻っていく。
数十秒後、肩から生えていた翼は嘘のように消え去り、変わりにめぐみの体に赤黒い痣が広がっている。
貴「ﾊｧ...ﾊｧ.....っ」
自分の体に起きた異変をすぐさま理解しためぐみは、もう姿が見えない真昼に向かって叫んだ。
貴「なんでっ...なんで！！
っ...なんで助けた！！真昼...真昼っ！！
グレンのことは助けなかったくせに、なんで.....。
ねぇ...いつもそうやって、大事な時に居なくなるの.....やめてよ...。
信じたくなる...
まだ真昼は居るんだって、錯覚してしまう...。」
どんどんその声は落ちていき、最後は消え入りそうな声で呟く。めぐみは上げていた顔をまた俯かせてしまうと、ｸﾞｯと拳を強く握った。
開きそうで開かない唇は、可憐に紅く染まっている。
ﾄﾞｶｱｧｧｧｧﾝｯｯ
突如鳴り響いた爆音。めぐみのいる地下水路が壊された音だ。しかしめぐみは驚く素振りも見せず、ゆっくりと刀の柄を握ると砂埃が上がる方を見る。薄らと見えてきた先には、吸血鬼の白い牙が不気味に光を放っていた。
貴「深夜...会いたい。」
吸血鬼の攻撃を受け止める直前。
ポロリと漏らした本音は、めぐみ自身も気付いていない。
ｶｷｨｲｲﾝ
物凄い音をたてながら刃と刃がぶつかり合い、相殺される。そんな中、ただ1人めぐみの言葉と気持ちを拾っている者がいた。
夜桜「はっ...深夜に会いたいなら、生き残れよ、めぐみ。
俺を呼べ！！！」
めぐみの瞳がｷﾞﾝｯと細くなり、その紅い唇が開く。
貴「....夜桜！！！」
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美桜(プロフ) - 深夜夢で1番好きです(^^)更新しず〜っと待ってます(TT)♡ (2022年8月11日 23時) (
レス) @page23 id: 73811d8464 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー(プロフ) - 見てきた終わりのセラフの夢小説で一番好きな作品です。また主様が書き始めることを楽しみに待っています。 (2022年7月18日 1時) (レス) id: 00ad156d2e (このIDを非表示/違反報告)
かなり - 私、この小説が大好きで何回も読み返しています！！私は、この小説を愛していきます！これからも体に気をつけて頑張って下さい！応援しています！！ (2020年5月14日 20時) (レス) id: 698341d95b (このIDを非表示/違反報告)
Kamiya Kaji725 - この作品大好きです！私のハートズドンされちゃいましたよー笑笑。深夜大好きなんです！！深夜と夢主ちゃんの絡みが……かわいい！更新頑張ってください！応援してます！！ (2018年2月15日 18時) (レス) id: e7cf133723 (このIDを非表示/違反報告)
伊坂紅(プロフ) - 過眠さん» ありがとうございます(^^)なかなか更新できずすみません！！私はそのままくろべにって読んでます…そのままですみません( .. ) (2018年1月17日 17時) (レス) id: bdcb2a452e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊坂紅 | 作成日時：2017年10月14日 20時
