二択 泉奏 ページ5
「次は移動ですね…」
カバンの中から彫刻刀を取り出して美術室へ向かった。
今日はこの彫刻刀で好きな動物を彫ることになったんですー…。
ーーー
作業がはじまると皆黙々とやっている中、
ブレザーの裾を引っ張られているように感じて横を見た。
貴「奏は何の動物にする?」
「俺はー…、ハムスターですかね?」
俺がそう答えたとき、前にいるアキラが下を向いていた。
肩が揺れていたから笑っていると分かり一発蹴りをお見舞いしてやった。
貴「何故ハムスター?w」
「昨日の昼にAが食べ物を口に入れすぎて、頬が膨らんでる姿を思い出して」
貴「忘れてよ」
「嫌です。可愛かったし」
貴「…じゃあ私は犬にしよう」
「どうしてですか?」
貴「奏みたいに賢いから。あと運動も得意だしかっこいいし」
にこっとこっちを見て笑うA。
そんなに可愛い事言わないでくださいよ、今すぐに抱きしめたい。
ぐっと気持ちを抑えて俺は作業に集中した。
貴「…いっ!」
Aの声と同時にカシャン、と落ちた彫刻刀には血がついていた。
「A!?」
ぱっとAの手を取ると血が垂れていた。
「先生、保健室に連れて行きます」
そう伝えるとAの腕を掴んで早足で保健室に向かった。
「失礼しー…、誰もいませんね」
寝ている人もいないようで、電気も消されていた。
「A、ここに座ってください」
貴「うん」
俺は消毒液とガーゼ、絆創膏をとりAの前にしゃがんだ。
「少しだけしみますけど、我慢してください?」
貴「え、やだ」
「真顔でやだって言わないでください」
貴「だって痛いの嫌だもん」
「はぁ…、分かりましたよ」
自分が持っていた物を床に置き、Aのケガしている方の手を取る。
ちゅっ
まだ血が出ている指を舐めた。
貴「奏!?何でこんな事っ///」
「Aが消毒嫌だっていうから」
貴「だからって舐める!?///」
顔を真っ赤にしながら言うAを無視して、絆創膏をはった。
貴「も、もう行こう//作業する時間がなくなちゃうし」
すっと立ち上がるAを後ろから抱きしめた。
「残念ですね…」
貴「何が?」
「もっとAと二人っきりでいれると思ったんですが。
…どうしますか?もう美術室に戻って作業を続けるか、それとも…、
俺とここで…、いけないことしますか?」
そう聞きながら、ゆっくりとAにキスをしたー…。
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Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» いやいや、こちらこそありがとう(´▽`*) (2016年2月15日 22時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» 全然大丈夫よ?フォローありがとう! (2016年2月15日 19時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» 遅くなってごめん!私もフォローした! (2016年2月15日 2時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» フォローしたよ! (2016年2月14日 21時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» @のあとは「KenchanRyouna」だよ! (2016年2月14日 19時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Suzu | 作成日時:2014年12月30日 19時