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 この身に変えても  九瓏ケント ページ38

休日、いきなり俺のところにAの父親がやってきた。


あいつの父親は虐待をしていた。

それに耐えきれなくなったAは俺に助けを求めてきた。

ずっと怖い目にあっていたからか若干震えていた。

「大丈夫だ。何かあったら俺が守ってやる」

そう約束して俺はAを抱きしめた。









あれから1年後、居場所も教えていないはずなのに父親はやってきた。

そして一言、「今日をもってこの学園をやめさせる」と言った。

やっとあいつに笑顔が戻ったのに。

俺は必死になって止めた。

あいつの元へは行かせない。






貴「先生...?」







たまたま外で歩いていたAと会ってしまった。

父親は俺を突き飛ばしてAの元へ歩いて行き、

腕をギュッと握り「帰るぞ」と言って門へ歩き出した。

Aは恐怖で何も言えず、震えていた。




「待て」

俺が言ったことが聞こえなかったのか、そのまま歩き続ける。

「待てって言ってるのが聞こえないのか!!」

今まで出したことのない大声で呼び止める。

俺はAを掴んでいる手を振り払った。

貴「先生...ッ」

よっぽど怖かったのか、俺にもたれるようにして倒れてしまった。

「A、もう大丈夫だからな」



父「部外者が何しているんだ」

父親は殺気がこもったような声で言った。

「部外者なのはそっちだ。今すぐこの学園から出て行け」

俺も負けじと声を大きくして言い放った。

こいつは俺の大事な生徒であり...、また愛しい人でもある。

そいつを守れないなんて、教師として、男として最低だ。



父「...手間を取らせやがって」

キリキリ、と音がした。

父親が持っていた物はカッターナイフだった。

貴「ひっ...!」

Aが小さく悲鳴をあげる。

まさか...、そのカッターで傷つけていたのか?



父親は俺に向かって切りかかってきた。

俺はAをかばうようにして抱きしめる。









警「おい!そのカッターを捨てろ!」

警察の声が聞こえて顔を上げると父親は取り押さえられていた。

おそらく門を通る時防犯カメラにうつっていたんだろう。



貴「先生、どうして私をかばったんですか...」

「あの時約束しただろ?」


そっと涙を拭う。


「この身に変えても守ってやるから、安心して笑ってろ。
Aは笑顔が似合うんだから」


俺はゆっくりAの額にキスをして微笑んだ―――...。

 落書き  神生アキラ→← ウィト、Happybirthday!  全員



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設定タグ:アルスマグナ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» いやいや、こちらこそありがとう(´▽`*) (2016年2月15日 22時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» 全然大丈夫よ?フォローありがとう! (2016年2月15日 19時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» 遅くなってごめん!私もフォローした! (2016年2月15日 2時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» フォローしたよ! (2016年2月14日 21時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» @のあとは「KenchanRyouna」だよ! (2016年2月14日 19時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Suzu | 作成日時:2014年12月30日 19時

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