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 卒業  朴ウィト ページ34

(prrrrr...)

ケータイの音が部屋に響く。

ちらっとケータイを見ると、先生からだった。


「もしもし」

ケ「おぉ朴!やっとでたな」

「すいません、ちょっと考え事してて...」

ケ「もしかしてあの事か?」

「はい」

ケ「俺もそのことで電話したんだ。
今度の土曜日、特別に部室を開けてやるからそこでやったらどうだ?」

「本当ですか!?ありがとうございます!!!」

ケ「別に大したことないからw
...ちゃんとやれよ、朴」

「はい!」


5分も話さずに電話を切る。

部活は休みなのに開けてくれると言った先生に感謝しなければならない。

僕は閉じていたノートを開け、シャーペンを持った。

チャンスは一度しかない。

そして絶対に、成功させてやるんだ...!









そして当日。

僕はA先輩を部室に呼んだ。

今は僕一人。

約束の時間まであと1時間もある。

「はやめに来すぎたかな...」

いや、でも奏先輩も余裕を持っていくのが当たり前って言ってたし!


できるだけ緊張しないように、タンタンと少しステップを踏む。

こういう空間にいると思わず今までの事を考えてしまう。

そういえば僕が入学式当日に迷子になって、

うろうろしてたらA先輩に出会ったんだっけ?ww

あの時に一目惚れして、告白して、オッケーもらって...。

休み時間になったらいっつも先輩の教室に行ってたっけなぁ。




でももうすぐ先輩はこの学園からいなくなる。

いや、もういなくなってしまった。

『卒業式』

ついこの前終わった。

僕は悲しくて先輩に伝えれなかった。

だから今日、この場で伝えるんだ。

ずっと前から必死に考えて作ったダンスを踊って。





貴「ウィト...?」

「A先輩!」

不思議そうに中をのぞきながら入ってきた先輩。

僕は椅子に座るように言って、前に立つ。

「急に呼んですみませんでした。
でも、A先輩にどうしても伝えたいことがあって...」

泣きそうになるのをこらえて続ける。

「僕、踊りを作ったんです。先輩のために」


曲名は桜ノ雨。

この気持ち、先輩に届けと願いながら踊った。




踊り終わって先輩を見ると、先輩は泣きながら拍手をしてくれた。




「A先輩。僕、ずっと忘れません。先輩といた日々を、思い出を。
片時も忘れませんから。

僕、この学園卒業したら先輩の元に行きます。約束、だから...ッ」



ボロボロと涙が零れる。

僕は力いっぱい先輩を抱きしめた―――...。

 僕の番  榊原タツキ→← 目隠し  泉奏



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設定タグ:アルスマグナ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» いやいや、こちらこそありがとう(´▽`*) (2016年2月15日 22時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» 全然大丈夫よ?フォローありがとう! (2016年2月15日 19時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» 遅くなってごめん!私もフォローした! (2016年2月15日 2時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» フォローしたよ! (2016年2月14日 21時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» @のあとは「KenchanRyouna」だよ! (2016年2月14日 19時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Suzu | 作成日時:2014年12月30日 19時

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