［アルスマグナ］短編集 version２！！ (ページ27)

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　兄妹　　朴ウィトページ27

「お～い、A～？」

部活が終わって外はもう真っ暗。

寮へ帰って、妹のAを待ってたけど帰って来なくて心配で学校に行った。

先生に怒られそうになったけど、Aを探しているって言ったら許してくれた。

Aは僕と同い年。

でも僕の方が少し生まれるのが早くて。だからウィト兄ちゃんって呼ばれてる。

別にちょっとしか変わらないんだから呼び捨てでいいのに、

「ウィト兄ちゃんはウィト兄ちゃんなの！」って言われた。

Aは僕の可愛い妹なんだ。

「A～？」

外出届けは出てないって聞いたし、学校内にいるのかな...？

...どうしよう。全然見つからないよ。

ほとんどの教室とか見て回ったけどいなかった。

もしかして...誘拐！？

本当にどうしよう。

だ、誰かに相談した方がいいのかな。

アキラ先輩？...いや、考えすぎって怒られるし、多分寝てるな。

奏先輩？...力になってくれそうだけど勉強に集中しててメールに気付かないかも。

タツキ先輩？...はそもそも学校にいないからダメか。

先生？...さっき話したけどお酒の匂いがしたから飲んでるな...。学校で！？←

ってダメじゃん！頼りになる人がいないんだけど！！

もしAが怖がってたらどうしよう。

ケガしてたらどうしよう。

泣いてたらどうしよう。

もし、もし....見つからなかったらどうしよう。

貴「ウィト兄ちゃん...？」

「A！！！」

僕はAの元へ走って思いっきり抱きしめた。

貴「ちょ、ウィト兄ちゃん苦しいから...！」

「よかった！本当によかった！」

貴「人の話し聞く気ないよね！？」

「A、今までどこにいたの？」

貴「図書室。今日図書委員で残らないといけないって言ってなかったっけ？」

「え...？言ってないと思うけど」

貴「ごめん、伝え忘れてた。...もしかして、探してくれてたの？」

「うん！だって僕の可愛い妹だもん」

貴「可愛くないって」

「いや、十分可愛い！」

僕はゆっくりとAの頬にキスをした。

貴「ウィト兄ちゃん...？///」

「心配させた罰！すっごい心配したんだから」

僕にとってAは自分の命よりも大切な存在。

Aが幸せに育ってくれるならなんだってする。

親みたいなこと言ってるけど、本当に大事な妹なんだ。

誰よりも、Aの幸せを祈ってるから――――...。