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 姉弟  泉奏 ページ26

(コンコン...)

貴「奏ー、ご飯できたよー」

「あ...、ごめん。後で食べるから置いといて」

貴「うん、わかった」

俺の姉さんはとても優しい。

勉強ばっかしてた俺は時々夕飯を一人で食べることがあった。

そんな無茶な願いにも受け入れてくれて、きちんとテーブルに置いといてくれる。

たまに勉強しながらでも食べれるようにおにぎりにしてくれたり。

そんな姉さんは俺の自慢だ。

小さいころから姉さんにあこがれてきた。そして好きだと気付いた。

まぁそんなことは恥ずかしくて言えないけど...。




「...姉さん、起きてる?」

夜遅く、俺は姉さんの部屋に行く。

勉強でわからないところがあったんだ。

次の日にすればいいものの、一度気になったのは解決しないと気が済まない。

貴「ん...起きてるよ。何か分からないところでもあった?」

「うん」

...本当は寝てたんでしょ?

わざわざ俺のために起きて、眠い目をこすりながら俺の部屋に来てくれる。

やっぱり優しいな...。



俺の小さい頃、親は家にいなくて姉さんが育ててくれたも当然だった。

ピアノもダンスも姉さんから教えてもらったし、もちろん家事とかも。

だから、余計に好きなのかもしれない。







「姉さん、一つ聞いてもいい?」

貴「んー?」

「姉さんって...、好きな人とかいるの?」

貴「え!?」


その反応って、もしかして...いるの?


貴「それは...、内緒かな」

「内緒...?」

貴「うん、内緒」


そういうときだけ内緒って言うの、ずるいと思う...。









貴「これでわからないところは最後かな?」

「うん」

貴「じゃあ私は寝るね。おやすみ、奏」

姉さんがドアに手をかける。

やだ...、姉さんが俺から離れるなんてやだ。

俺は姉さんにとってめんどうな弟かもしれない。

でも、俺は姉さんがいないといやなんだ。


「待って...」

貴「奏...?」


俺は姉さんを後ろから抱きしめた。


貴「どうしたの?奏」

「やだ」

貴「え?」

「やだ。姉さんが他の人のものになるなんてやだ。
姉さんは俺のものだ。誰にも渡さない」

ギュゥ、と姉さんを離さないように強く抱きしめる。



貴「大丈夫だよ、奏」

優しくゆっくりと俺の頭をなでる姉さん。

貴「私はずっと奏と一緒にいるから」

「本当?」

貴「うん、本当」

「...姉さん、大好き」

貴「私も好きだよ、奏」



こんな甘えん坊な俺だけど、強くなるから。

だから見ててね...姉さん。

 兄妹  朴ウィト→← 兄妹  神生アキラ



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設定タグ:アルスマグナ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» いやいや、こちらこそありがとう(´▽`*) (2016年2月15日 22時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» 全然大丈夫よ?フォローありがとう! (2016年2月15日 19時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» 遅くなってごめん!私もフォローした! (2016年2月15日 2時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» フォローしたよ! (2016年2月14日 21時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» @のあとは「KenchanRyouna」だよ! (2016年2月14日 19時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Suzu | 作成日時:2014年12月30日 19時

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