Valentine 九瓏ケント ページ24
...重いな...。
俺の手には紙袋が。それもチョコがいっぱい詰まってる。
今はとりあえずあそこの部屋に置いておいたらいいのか。
ちらっと窓から外を見るとAが立っていた。
...泣いているのか?
遠くからじゃ分からないな。
行ってみるか。
「A?」
貴「...っ!」
「こんなとこでどうした?何かあったのか?」
貴「別に、何でもありません」
「嘘だ。何でもないやつが泣くわけないだろ?」
貴「...先生には何も関係ないじゃないですか」
...これは、俺が関係してるのか...。
俺は一体何をした?
何かAにとって嫌な事をした...。
「A...」
貴「すみません、もう帰ります」
「...待て」
帰ろうとするAの腕を掴んで引き寄せた。
貴「先生...」
「...嫉妬、してくれてたのか?」
ビクッとAの肩が震える。
...やっぱり。
嬉しくて思わず笑ってしまいそうになるのをこらえる。
貴「べ、別に嫉妬なんかしてません!」
「本当に?」
Aと同じ目線になるように少しかがむ。
「A、本当に嫉妬してないんだったら、俺の目を見て言ってみろ」
じっとAを見つめる。
貴「...っ」
「A...?」
貴「...だって、だって!先生が他の人から...」
「他の人から?」
貴「...チョコもらってるから...」
小さい声で言いながらうつむくAに優しくキスをおとす。
貴「!?///」
「悪い、意地悪しすぎたな」
もう一度Aを抱きしめる。
「あの持ってたチョコは、全部風紀に渡すつもりだ」
貴「え...?」
「俺はもらってたんじゃなくて没収してたんだ」
貴「没収...」
「そ、没収。もう風紀室に置いてきたしな」
貴「じゃあ、全部私の勘違い...?」
「そういうことだな」
Aはさっきより強く俺の服を握ってきた。
おいおい...、耐える方の身にもなれよ...?
貴「ごめなさい先生。あんなひどいこと言って...」
「別に構わないって。俺もからかいすぎた」
貴「からかってたんですか!?」
「冗談だってw」
貴「...はい、これ」
Aは可愛くラッピングされた物を渡してきた。
貴「味は保証しませんけどね」
「おぉ、ありがとう」
Aが作ったのは何でも食べるけどな、と笑いながら言ったら
ポカポカと叩いてきた。
「可愛いやつだな」
ポンポン、と頭をなでる。
「安心しろ。俺はAのしか貰わないから」
本当だからな...?
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Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» いやいや、こちらこそありがとう(´▽`*) (2016年2月15日 22時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» 全然大丈夫よ?フォローありがとう! (2016年2月15日 19時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» 遅くなってごめん!私もフォローした! (2016年2月15日 2時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» フォローしたよ! (2016年2月14日 21時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» @のあとは「KenchanRyouna」だよ! (2016年2月14日 19時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Suzu | 作成日時:2014年12月30日 19時