Valentine 泉奏 ページ21
『奏君、これ貰ってください!』
『ちょっと待って!私が先よ!』
『いや、私の方が先よ!』
...先に進めない。
今日は風紀の集まりがある。
なのに委員長が遅れてしまっては元も子もないだろう。
「すみませんが後にしてください」
目の前に群がっている女子生徒たちに言うも、聞こえていないらしい。
どうやって切り抜けようか。
そう考えていたら誰かに腕を掴まれて引っ張られた。
そして猛スピードで走りだした。
「はぁ...、いきなり何なんですか...」
息を整えて前を見る。
「...Aさん?」
貴「泉先輩、大丈夫ですか?」
そこには同じく風紀委員のAさんがいた。
一年生だがしっかりしていて、とても頼りがいのある後輩だ。
「あぁ...、大丈夫です。ありがとうございます」
貴「いえ。やっぱり泉先輩は人気ですね」
ふわっと微笑む彼女はどこか寂しそうだった。
それは...、期待してもいいですか...?
放課後、生徒達から没収したチョコを箱に詰めていく。
毎回毎回数が多すぎて処理に困っている。
「...これで全部ですかね」
その箱を風紀室の隅っこに置いていく。
全部終わったな...。
確認し終わって帰ろうと鞄を持った時、ガチャ、と扉が開いた。
貴「お疲れ様です、泉先輩」
「Aさん...。部活は終わったんですか?」
貴「はい」
Aさんはうわぁ...、と言いながらチョコが入っている箱を見る。
その仕草がとても可愛らしい。
俺はAさんを壁際に追い詰めて、逃げられないようにした。
貴「泉...先輩?どうしたんですか...?」
俺を見上げながら首を傾げるその姿は誘っているようにしか見えなかった。
「Aさんはくれないんですか?」
貴「な、何を?」
「何を...って、分かっているでしょう?」
俺はAさんの耳元で囁くように言った。
「その鞄に入っているチョコ、ですよ」
ばれてない、と思ってたんですか?
クスッと笑いながら聞くと、顔を真っ赤にしながら渡してきた。
「可愛いですね...」
俺は貰ったチョコを一つ口に含むと、Aさんにキスをする。
貴「んっ...!?///」
「...ん。おいしいですよ、A」
とても甘くて...ね?
顔を真っ赤にしているAにもう一回キスをする。
「これからは下の名前で呼んでください。
じゃないとお仕置きですから」
片手でゆっくりとAの頬をなでる。
大好きですよ、A。
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Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» いやいや、こちらこそありがとう(´▽`*) (2016年2月15日 22時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» 全然大丈夫よ?フォローありがとう! (2016年2月15日 19時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» 遅くなってごめん!私もフォローした! (2016年2月15日 2時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» フォローしたよ! (2016年2月14日 21時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» @のあとは「KenchanRyouna」だよ! (2016年2月14日 19時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Suzu | 作成日時:2014年12月30日 19時