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 面倒  九瓏ケント ページ13

貴「...はぁ...」

「どうしたんだ?大分テンション低くなってるぞ?www」

放課後、たまたま3年の教室の前を通り過ぎるとドアが開いていた。

中をのぞいてみると机に肘をついて外を眺めている生徒が一人。

こっちからは横顔しか見えなかったが、

夕日に照らされていてとてもきれいだった。

話しかけるつもりはなかったが、気が付くと話しかけていた。

貴「いえ...、何でもありませんよ」

「何でもないやつがそんな憂鬱そうな顔するか?」

貴「…」







貴「...なんか色々不安になって」

「何で不安になったんだ?」

貴「この学園を卒業したら、その先どうすればいいのか分からなくて。
私は別に将来の夢とかないし...」

...なるほどな。

俺は前の席に座って、Aと向かい合うようにした。

「まぁ不安なる気持ちも分かるけどなぁ」

貴「...正直言って、ここを離れたくないんです」

「どうして?」

貴「今の生活が幸せだから。いっそのこと、このまま時が止まればいいのに...」



俺はじっとAを見つめた。

どうやら本気でそう思ってるらしい。



でも、もしこのまま時が止まってしまったら俺が困るんだよな...。




貴「どうして困るんですか?」

「え?」

貴「こんな生徒がいたら面倒くさいからですか?」

「違う違う!!!そんなんじゃないって」

貴「じゃあ何で?」

「...言いたいことがあるんだ」

貴「なら今言ってくださいよ」

「いや、今は言えない。
...でも、もし本当にこの学園を卒業して行く先が分からなくなったら」

ゆっくりと、俺は深呼吸をして続けた。

「俺のところに来い。面倒見てやるから」

貴「...はい?」

「だから、世話してやるって」

貴「...なめてるんですか」

「ちーがーうーって!!何でこういうときだけ鈍感なの!」

もう!っと少し拗ねてみる。

ちらっとAを見るとさっきとは違いオロオロしていた。



「可愛すぎだ」

俺は笑いながらAの頭をなでた。

「...この先さ、大きい壁にぶつかることはいっぱいあると思う。
俺だって同じ道を歩んできたからよくわかる。
今、Aは怖いんだろ?」

貴「...うん」

「なら、俺が一緒にいて支えてやる。ずっと隣にいてやるから」

俺はポケットから指輪に似たリングを取って、Aの指にはめた。

貴「先生、これ...///」

「さっき言ったことの意味、これで分かっただろ?
これは予約。いつか、本物を渡すから他の奴と付き合ったりすんなよ?」

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設定タグ:アルスマグナ , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» いやいや、こちらこそありがとう(´▽`*) (2016年2月15日 22時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» 全然大丈夫よ?フォローありがとう! (2016年2月15日 19時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» 遅くなってごめん!私もフォローした! (2016年2月15日 2時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)
妄想少女M - Suzuさん» フォローしたよ! (2016年2月14日 21時) (レス) id: 5a8f6227c1 (このIDを非表示/違反報告)
Suzu(プロフ) - 妄想少女Mさん» @のあとは「KenchanRyouna」だよ! (2016年2月14日 19時) (レス) id: c7c74294ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Suzu | 作成日時:2014年12月30日 19時

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