94話 ページ46
ミィは砂の上でポロポロと涙を流していた
ミーくん「ﾋｯｸｯ ﾋｯｸｯ(ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ)」
他月「………」
それが“嬉し涙”でないことは、１目見てわかった
ミィ……やっぱりお前は……
そんな事を考えているとモコモコとミィは砂へと埋まっていった
(いさおが来たあの日、待ち合わせた公園で俺はカエデさんにことの経緯を話した
簡潔に、余計なことは言わず、心情も打ち明けず。
昔
カエデ「そうですか…分かりました。そういう事なら…」
他月「ありがとうございます」
カエデ「…………」
他月「どうしました？」
カエデ「いえ…その…ミーくんのことなんですが…
多分！本当に多分なので私の思いすごしだと他月くんには余計な心配をかけてしまうのですが…っ！」
他月「構いませんよ、何です？」
そう言うとカエデさんはポツポツと話し始めた
カエデ「……ミーくんは恐らく…
コレクターから逃げて日本に来たのだと思います……
兄さんの手紙に“すまない”“頼む”と書いてありました
私の読み方で読んだ時にだけ文字が浮き上がるようになっていて…
空くんが読んでも絶対わからないよう、わざわざ暗号で書いてありました。
ミーくんと初めておつかいに行く前、“怖い人もいるから外では動かないように”と約束したんです。
その時の反応もコレクターを知っているように感じたので…
私の杞憂ならいいのですが…」
あれはいつだったか、柏木がふと
空「ミーくんってエジプトに帰りたがらないんだよね」とこぼしていたことがあったが…)
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〜Aside〜
他月「(“帰りたがらない”じゃなく“帰れない”だったのか…)」
『他月くん！』
さっきから他月くんに声掛けてるんだけど全く反応無し！どうしたの!?
っていうか急がないと!!
他月「(だからあの人はミィのために砂を…)」
空「たづき！
横からｯ…」
空くんが言い終わる前にコニーが他月くんの頭に思いっきり突っ込んできた
『あーっ…間に合わなかった…(汗)』
空「”横からコニーが飛んでくるよ”って言いたかったんだけど…大丈夫？」
コニーは他月くんの前髪をブンブンとご機嫌に降っていた
他月「… 作業に夢中で気がつかなかった。ありがとう…」
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作者名：りんご飴 | 作成日時：2022年10月28日 10時
