No.128 ページ29
「子供たち、連れてきました。あの地区はこれで全員かと。」
「ありがとう！那緒ちゃん、そろそろ休憩した方が…」
「いえ、まだ大丈夫です。じゃあ私、別の地区探しに行ってきます。」
そう言い残し、異能力を使い移動する。
自分の異能力があって良かったと、初めてこの時思った。
「うえ…っ、気持ち悪…。」
あまりの血の匂いに腕で口と鼻の回りをおおう。今までの活動で匂いには慣れてはいたが、ここまで酷いのは初めてだ。
大人や子供達の死体の道に足を踏み出していく。
「申し訳ありません。できる限り踏まない様にしますが、生憎道がありませんので。」
返事のない死体達に謝る自分が可笑しく思えた。
その謝罪には罪悪感が少しもなく、ただ淡々としている。やっぱり自分はレブルの方が向いてるんじゃないかと、何故かそう強く思ってしまった。
「…駄目だ、変な事考えちゃ…って」
ふと霧がかかった先の景色に目を凝らしてみる。
そこには黒い人影があり、ここの地区で生き延びた子供かと思わず駆け寄る。
しかし、だんだんハッキリする人影は那緒の顔に嫌悪感を与えた。
「…那緒？」
「なんでこんな所にいるんですか、赤嶺 琉架。」
自分が一番嫌っている相手とは、最悪の形で再開してしまった。
「仲間を渡した先の医療部隊から、ここの地区で生存者を探してこいって言われたんだよ。…でもまぁこんな有り様じゃ、いなさそうだな。」
ぐるりと周りを見渡し、溜め息交じりに言う琉架に警戒をする。
「…最っ悪。」
「…そうかよ。」
那緒の呟きに、一瞬苦しそうに顔を歪めたが直ぐ様無表情を取り繕う。
「…あの」
「うっ…、ひっぐ、っうぇ…」
その事に気付いた那緒が不信そうに声をかけようとするが、その声は突如聞こえた泣き声によって遮られてしまった。
「は？ちょ…」
「え？ちょ…」
「っうわぁぁあん！！お兄ちゃぁぁんっ、お姉ちゃぁぁん！！ お母さんを助けてぇぇえっ！！」
そして二人の服の裾を掴んだ男の子は、これまた突如大声で泣き出した。
同じ様な反応を示した二人は困り顔でお互いの顔を見て、また少年に顔を戻した。
「…あー、この迷子どうする？」
「…お母さん見つけて、医療部隊に連れていきましょう。」
この人と一緒に行動するのか、仕方ないと、そう思いながら那緒は少年の手をつなぐ。反対の手は渋々琉架がつなぐ。
廃墟の中に、三人の足跡が響いた。
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花梨(プロフ) - 皆さまお疲れ様でした〜 (2018年9月14日 22時) (
レス) id: e3aad0174a (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - お疲れ様でした！あまり参加出来ずにいて申し訳ありませんでした…！本当にありがとうございました！！ (2018年9月14日 21時) (レス) id: 6dddb2cb16 (このIDを非表示/違反報告)
睦都(プロフ) - 初めからずっと見てました！主催者様、参加者様の皆様お疲れ様でした！剣士君たちとても好きです(*^^*)ほんとうにお疲れ様でした (2018年9月14日 19時) (レス) id: 3a040f6594 (このIDを非表示/違反報告)
羊素。(プロフ) - 遂に完結ですか…少し寂しい気もしますが、主催者様、及び参加者の皆様、お疲れさまでした。 (2018年9月14日 5時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - お疲れ様でした！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c46d432f11 (このIDを非表示/違反報告)
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