No.113 ページ14
何も見えない、感じない。ただ宙を舞う大人を、楽しんで見ているだけ。
一見見ればそれはもう狂っているし、異常であるのは明確だ。でも、その笑顔の内側に、瞳の奥に、『彼』のような純粋さが確かにあった。
…心の鍵が壊れたようだった。幼い頃から溜めてきた、暗い暗い感情を詰め込んだ場所の鍵が。
文句なんて言える筈もなかった。助けてもらえなかった。…寂しかった。
ラビッシュを作ってから仲間ができた。嬉しかった。幸せだった。
…でも、それと同時に、“弱音と本音”が吐き出せなくなっていった。
信頼されればされるほど、仲間達が大事な存在になればなるほど。弱音と本音が増えていった。
心の中にある影が、一種の闇が、溢れ出しているのだ。
「零……、諒…」
二人は剣士の前後に立っていた。剣士は手を伸ばそうとしてやめた。
心の整理がつくまで、触れない。いつも通り、「どうかしたか？」って、振る舞える自信がない。
そんなの偽善じゃないか。穴を埋めるための
(オレってなんなんだっけ…。何をしたかったんだっけ)
ラビッシュを作った最大の理由。
そこに答がある筈だ。
「そりゃ、悪い大人を殺して……、純粋な子供と良い大人だけの世界を創る為…」
違う。違うのだ。もっと純粋で単純で幼稚で、素晴らしい夢がある。
「子供達を、助けたいから………？」
その時、思い出がフラッシュバックする。
お互いボロボロで出会ったこと。一緒に遊んだこと。大人に結構な悪戯をしたこと。
…彼奴が盗んできた唐揚げをくれたこと。良いことのわけはなかった。けど、凄く嬉しかったのを覚えている。
そして……
【これ、御守り。あげる】
【御守り…？アサガオ…】
【アサガオの花言葉は、『固い絆』なんだって。これで、お互い離れても忘れないだろ？な、相棒】
【うん。ありがとう。大事にする……、それでいつか…】
「“一緒に世界を変えよう”」
そうだ、世界を変えるって、彼奴と…白瀬と。約束したんだ。
剣士が欲していたもの…それは光だった。影は光から生まれ、光は影によってまた美しく見える。
剣士と太刀は、表裏一体。固い絆を誓った親友同士。
剣士は光に手を伸ばした。霧が晴れるように、竜巻がおさまる。
「……ミルク、だっけ。お前の……新しい名前」
「…ああ」
気付けば彼の所へ向かっていたらしい。
面と向かい合う白と黒。…それもまた、美しいのかもしれない。
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花梨(プロフ) - 皆さまお疲れ様でした〜 (2018年9月14日 22時) (
レス) id: e3aad0174a (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - お疲れ様でした！あまり参加出来ずにいて申し訳ありませんでした…！本当にありがとうございました！！ (2018年9月14日 21時) (レス) id: 6dddb2cb16 (このIDを非表示/違反報告)
睦都(プロフ) - 初めからずっと見てました！主催者様、参加者様の皆様お疲れ様でした！剣士君たちとても好きです(*^^*)ほんとうにお疲れ様でした (2018年9月14日 19時) (レス) id: 3a040f6594 (このIDを非表示/違反報告)
羊素。(プロフ) - 遂に完結ですか…少し寂しい気もしますが、主催者様、及び参加者の皆様、お疲れさまでした。 (2018年9月14日 5時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - お疲れ様でした！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c46d432f11 (このIDを非表示/違反報告)
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