No.97 ページ48
一方。
あの絢音を目の前に、ただただ冷たい視線でナイフを持つ郁深の中は異常な程に冷めていた。
「……ひ、久しぶりね、いっくん。元気に…してた?」
冷や汗を流しながら、時間を作ろうという分かりやすい魂胆だろう。だが、絢音はそれ以上頭が回らなかった。
「
「絢音。」
ぴしり、郁深のドスの効いた声が言葉を遮った。
持っているナイフが、絢音の隣に座る瑠璃歌の首筋にさらに近づいた。
「違う、そんな事聞いてない。……俺の言ってる事分かるよね」
「…!」
絢音は必死になって、考えた。
力強く手を握り、振り絞って考えた案が一つ。
「……わかった、よ…」
「…!そうか、嬉しい。」
ふっと肩を落として、直ぐに消えてしまいそうな声で呟いた。
「……瑠璃ちゃん、ごめんね…」
「せ、せんぱ…」
___瞬間、何処からか ツタが生えてきた。
「…?!」
ツタは、籠を作るように郁深を囲った。
郁深は異能力を使ってギリギリ避けたので害はなかったが、そこを突いて絢音と瑠璃歌は走った。
ぎゅうっと固く手をつかんで。
「ッごめんね、ホントっ……私、頭悪いから…
…っこんなことしか考えられなかった…!!」
「……ッ」
絢音は苦しそうな、悲しそうな顔をしていた。
それを見た 瑠璃歌は 何も言えずに、
絢音の手をさらに強く握って走った。
9人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すふ丸@課題消化につき低浮上(プロフ) - 盛り上がってますね……!更新ペースが落ちないので凄く安心感があります。えげつない量の課題を与えられてしまったため中々更新はできませんが、皆様が第三部にどう繋げていくのか、企画参加者として今後の展開を楽しみにしております\(^o^)/ (2018年7月29日 13時) (レス) id: d6d481a1f7 (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 第二部、二つの組織がぶつかってからの怒涛の更新……! 皆様お疲れ様です。 (2018年7月29日 13時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
一酸化炭素。(プロフ) - 遂に幻聴が聞こえ始めたかもしれないウチの子…誰か助けて (2018年7月27日 12時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - あはー、また謎の文字化けしてる……。一体なぜ。 (2018年7月27日 11時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - Sakiさん» 淋ちゃんは流架さんラブなので必然的に出ますよw (2018年7月26日 21時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ