No.48 ページ49
昼頃。
ロストアイズは一郷の店で、マジックをしていた。
大人、子供、年齢に関係なく集まった観客相手に、次々とマジックを見せていく。
シルクハットから飛び出る鳩(ハトだけに)、トランプのカード当て、などなど…。
次から次へと繰り広げられるマジックを見る人々の表情は、輝いて見えた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「流石ね、ロストちゃん。やっぱり、いっちゃんが言うだけあるわぁ…」
「それは光栄だ、一郷さん。あなたこそ、会場を用意してくれてありがとう」
「良いのよ。でも、まさか年齢に制限を設けずに開催するなんて思わなかったわ」
「それはケースバイケースだ。パフォーマーは観客を蔑ろにしてはいけない。これはほとんど矜持みたいなものだよ」
ロストアイズは椅子に座り、出された水を飲む。
「それに、観客の表情を見ていたら、その人がどのような人物かは分かる」
「へえ、どんなの？」
「パフォーマンスを見ている時の目が輝いているか、そうじゃないか。目を輝かせられるのは、純粋な心を持つ者の特権だ」
「へえ…。結構見てるのね」
「観客をよく見ることも、パフォーマーの仕事の内。まあ、全部父親からの受け売りだけどね」
そう言うロストアイズの横顔は誇らしそうだった。
「その表情良いわね」
「何で？」
「すごく嬉しそうだからよ。あなた、やっぱりお父さんのこと、好きなのね」
「うん。でもまあ、違和感があって」
「何？」
「私だけ動機が違う。みんな世界に対して恨みを持っている。でも、私は世界に恨みなんて抱いていない。抱いているのは…ラビッシュへの復讐」
「ロストちゃん…」
「世界に復讐心なんて持てない。見えてなくても、私には分かる。この世界は色褪せて見える。レブルに来てからは…特に」
「そう…。今の話は、みんなに内緒にしておくわね」
一郷はロストアイズの悲しそうな顔をずっと見つめていた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
夕方。
ロストアイズはとある墓を訪れていた。
「…ロストさん」
「御坂か。どうした？」
「ロストさんこそ、ここで何してるんだ？墓参りか？」
「まあね。私の大切な友人の墓だよ」
「…天海さんか？」
ロストアイズは何も言わなかった。
郁深も押し黙り、深い沈黙が訪れる。
「…帰るか。今日は恒乃に縄抜けを教える続きだ」
「…うん。手伝う」
二人は墓に背を向けて歩き出す。
彼女らの表情には陰が射していた。
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おバカな傀夢(プロフ) - 皆さん、上手くて凄く尊敬します！！え、もう。好きになっても良いですよね。 (2018年6月26日 21時) (
レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - え、ウチの子がとても良い感じのクズ感。そして、ミルクさんとロストアイズさんがクールビューティ過ぎて好きです。 (2018年6月26日 21時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 自然悦岫さん» 見てみます！ (2018年6月26日 6時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
自然悦岫(プロフ) - ドットコムさん» ありがとうございます。モデルにした谷川俊太郎さん作詞の合唱曲、「サーカス�機‘参宗縮粥廚鮴�非YouTubeで聞いてみてください。 (2018年6月25日 22時) (レス) id: 18ee1d3faa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - ロストアイズさんカッコよ！！！！！！！ (2018年6月25日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
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