検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:12,133 hit

39話:吐露した本音 ページ42

 
 
 
ガチャッ)

初兎「ただいまぐらい言ったら?」

「ただいま。晩飯なに?」

初兎「ケンタ買ってきた」

「ん」


家の会話は少ない


実家にいるときもそうやった


兄貴が出ていってからは特に、親と会話なんか一切せんかった


俺は年を追うごとに親が好きやなくなった


でも、兄貴は嫌いじゃない


俺の態度に文句言うし、いろいろ口うるさいけど


兄貴は俺を大切にしてくれるって知ってるから


初兎「そういえば昨日宅配便届いたよ」

「あぁ……いれいすの缶バッジやな」

初兎「え、お前買ったの?」

「おん。予約した瞬間に売り切れなったわ。ギリギリセーフ」

初兎「へぇ……誰の?」

「……兄貴以外の買う必要あるか?」

初兎「可愛げがねぇ」

「うるさいわ」


そう言いながらニヤニヤしてんの見えとんねん


気色の悪い……


初兎「ど〜せ暇やしゲームでもする?」

「マイクラしよーや」

初兎「おっけー」


2人でゲームをするのも久しぶりだった


隣に人がいてゲームしてる時って、普通その人と話すはずやのに


無言。ひたすら無言


………いつもどんな会話しとったっけ


初兎「ねぇ、よしってさぁ」

「ん?」

初兎「もうりゅうくんとこに住んでるの?そういう認識でいいの?」

「え……別にアイツの家が俺の家なわけやないけど」

初兎「じゃあまだよしの家はココでいいんだね?」

「おん……急にどした」

初兎「……たまにさ、めっちゃ不安になるときあるんだよね。ちょこちょこ帰ってきて、またしばらく戻ってこなくて。それを繰り返してるうちに、いつか、本当に帰ってこなくなりそうだから。縛り付けたくないから、好きにしていいよって言ってるけど、猫より気ままだからさ、お前」


本当に帰ってこなくなりそう、か……


「帰ってこなくなったら、兄貴はどうすんの」

初兎「そりゃ、いろんなとこに電話かけて、安否を確認するでしょ。生きてるならそれでいいと思うし。まぁできるなら居場所は知っておきたいけど」

「あっそ……………兄貴から聞いてくるってことはさ、俺まだここにいてええねんな?」

初兎「当たり前じゃん」

「たまに思うんよ。兄貴のとこに帰ってええんかなって。邪魔やないかなって。あの人ら多分俺が兄貴の家にいるって知ったら怒りそうやし。けど、それ聞いて安心したわ」

初兎「…いつまでもここはお前の家だよ」


…ありがとう


初兎「あ、年越してる」

「ガチやん」


…今年もよろしゅう、兄貴


 

40話:めぐり逢う奇跡→←38話:大きな背中に憧れて



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

flowe - あああコメ返ありがとうございます〜〜!私実を言うといむくん強めいむしょー寄りの箱なんですけどね(ややこしい) (2021年9月24日 15時) (レス) @page34 id: 434a4dac8e (このIDを非表示/違反報告)
つむぎ - 完成致しましたので、見ていってくださるとありがたいです。https://uranai.nosv.org/u.php/novel/maaku8093/?p=%28%CC%BE%C1%B0%29&&ans=39 (2021年9月24日 0時) (レス) id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
flowe - え…あ…好きです(おい)もう可愛い……あの神影くん?そこ変わってもらって(殴 (2021年9月18日 16時) (レス) id: 434a4dac8e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:賽は投げられた | 作成日時:2021年9月15日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。