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No.6 ページ7

やっと立てるようになった女神様の身体を起こし、僕は逃げ回る鬼を追いかけた。追いかけたと言うより、一松兄さんと話している所へ向かっただけなんだけどね。
でも、何だか様子がおかしい…?
お「実はな…
とりあえず、一松だけに言ってやるよ!」
そう言って、楽しそうに一松兄さんの耳元で囁くおそ松兄さん。直後、一松兄さんの目が見開いた。そこからは動揺を感じる。
一「…え」
兄さんの喉から絞り出した声は、少し掠れ、恐ろしさを訴えていた。僕は衝動的に走り出し、尚もニヤニヤと耳元で口を動かすおそ松兄さんを突き飛ばした。否、魔術で電流を流して吹っ飛ばしたんだけど。
十「一松から離れろっ…!」
お「うわぁ、いったぁい」
飛ばされて軽く吐血(とけつ)しているのに、まだ笑みを残すおそ松兄さん。壁にもたれかかり、袖で血を拭った。棒読みというより、楽しそうに痛がる表情が、僕はとにかく気に入らなかった。
チ「十四松っ!」
後ろから追いかけて来ていた女神様が、慌てて止めに入る。荒くなった息が落ち着いていくように感じて、僕は後ろを向いて、
十「ありがとう、女神様」
とだけ呟いた。そして一松兄さんの側へ寄り、おそ松兄さんに右の人差し指を差した。指先に力を込め、電流を塊状に生み出した。サイズを大きくしながら、僕は話す。
十「忠告。これは2回目だよ、おそ松兄さん。3回目は許さないから」
お「うわぁ、流石にこれは死んじゃうなぁ」
楽しげに笑いながら翼を広げた兄さんに、すかさず背で作っていた氷のナイフを投げる。左手だったから上手くコントロール出来なくて、でも力は十分だったから、翼を貫いて壁に刺さった。兄さんの顔が歪む。
お「っ!おいおい…マジかよ…!?」
僕の身長の10倍はある電流の塊。鼻に掠めたのは、林檎の香り。手を上に掲げ、身動きが取れない悪魔(にいさん)に投げつけた。









「……ホント、相変わらずだよねぇ」


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しおん)次のページに続きます!(謝罪)

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作者名:しおんの蜂蜜 x他2人 | 作成日時:2018年6月9日 23時

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