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目の前が開けてくる。ここは彼曰く魔力が満ちている場所らしく、木々は成長せず、ずっとあの時のままだ。今にも、彼が目の前に現れてきそうで目を細めながら大木の下に腰かける。
「……やっほ、ぐっち。今日はね＿＿」
話しながら持ってきたおはぎが入ったタッパーを開けた。時々私の話に相槌をうつように木々がざわめく。今日は色んなことがありすぎた。肉体的にも、精神的にも少し限界だ。大がかりな妖術を使ったせいか、やけに体がだるい。私を照らす明かりが眠気を誘う。もう寝てしまおうとそれに逆らわず、私は目を閉じた。
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『……だあれ？』
『え、き、君こそ』
いつも通り森の中で遊んでいると見たことのない男の子が居た。その男の子は濃い緑色の髪の毛で、真っ赤な目、そして眼鏡をかけていて、どこか人間離れしてるように見える。いつも一人だったから、人がいるのが珍しくて思わず声をかけてしまった。
『私はAだよ。舞姫A』
『……！俺はぐちつぼ』
『ぐちつぼ……。ねぇ！ぐちつぼはいつもここにいるの？』
『あぁ、まぁ』
離れていたので小さく手招きをする。するとぐちつぼは座っていた私の隣に来てそのまま話し始めた。
『Aは？いつもここに？』
『うん』
そのまま、ずっと話をして、ぐちつぼと、仲良くなってぐっちと呼ぶことにした。ぐちつぼは少し遠くに住んでいて、ここまで遊びに来ていたらしい。
『ふふっ、ぐっちって面白いね』
『はっ、そうかぁ？』
『うん！あっ、そろそろ帰らないと』
空がオレンジ色になってきたということはもうすぐ夜になる。遅く帰るとお母様に怒られてしまう。
『そっか。じゃあまたな』
『うん！また明日ね！』
そう言うとぐっちは少し目を見開くとニヤリと笑って"また明日"と言った。その笑顔がすごくきれいに見えた。次の日、同じような時間に会った場所に行けばぐっちはそこに立っていた。見えた瞬間、思わず駆け寄る。
『……！ぐっち！』
『よう。今日は何すんだ？』
それから、毎日私とぐっちは会うようになった。その日々が楽しかった。
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寒い。少しだけ。ビュンッと、強い風が吹のを感じる。ゆっくりと目を開いた。自然と口角が上がる。きっとこの風はぐっちが吹かせているんだろう。そう、思っていたい。
「おはよう、ぐっち。起こしてくれてありがとう」
タッパーが空になっているのを確認し片づける。
「また来るね」
この声は届いただろうか。
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ペリドット(プロフ) - すいみん。さん» わー！ありがとうございます！フフッ、ラストまでよろしくお願いします。応援ありがとうございます！ (2021年9月19日 1時) (
レス) id: 3df4378748 (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - もうべちょべちょに泣きました…。めちゃくちゃ好きです、妖パロ…いいです…。とても…。次回の更新も楽しみにしております、無理せず頑張ってください! (2021年9月19日 1時) (レス) id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
ペリドット(プロフ) - ズイさん» 誤字指摘ありがとうございます……黒髪黒目ですねぇ…… (2021年7月28日 16時) (レス) id: 3df4378748 (このIDを非表示/違反報告)
ズイ - 夢主のプロフィールで‘‘黒髪黒髪``と、2回繰り返されているんですけどあっているのでしょうか？ (2021年7月21日 14時) (レス) id: a75775cd99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペリドット | 作成日時：2021年5月6日 19時
