お兄さんと花火 ページ6
ドンと、花火の上がる音が近くで聞こえる。
毎年ある花火大会開始の合図。
花火、行きたいなぁ……
「A、花火行きたいの?」
「えっ??」
なんでわかったの??
え、なに、何かの超能力かなにか?
「今花火、行きたいって言ったじゃん?」
あ、心で言ってたつもりが声に出ていたのね。
裏道一緒に行ってくれるのかな。
「花火大会、どうせなら行く?」
裏道から、行く?なんて聞けると思ってなかった。
「いいの?」
「いいからはよ、行くぞ。」
「わ、ちょっ!」
急に立たされるもんだから、びっくり。
「女の子なんだからもっと丁寧に扱ってよね!?」
「ごめんて」
何やかんや、花火大会の場所まで来ました。
裏道はもう人混みを見て帰りたい、そういう顔してる。
せっかく来たんだから屋台も見ないとね。
「あ、りんご飴だって、懐かしいね」
「ほんとな、懐かしいわ。…このりんご飴みたいにAの頬も赤く染めてあげようか?」
えっ、私のほっぺを赤くする?。
照れないし熱も出さないよ??
グルグルとそんな思考が駆け回る。
そんな時、最後の打ち上げ花火が上がり、みんなの目線は空に向かってるはず、だった。
なのに、私と、裏道だけは向かい合っている。
優しく、キスされた。
「はっ、えっ!?」
一気に顔に熱が集まるのがわかる。
「だから言ったろ?りんご飴みたいに赤く染める、ってさ。」
……お恥ずかしい………。
80人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天狐姫 | 作成日時:2017年6月24日 12時