【オリBL】勉強科目を擬人化してみた。【短編集】

アロマ【数γ×数α】 ページ9

・

今日は、学校に様々な講師の皆さんがおこしになり、体験型の講座や講義をしてくださる日。

学年主任として、粗相のないようにとチェックをした。

はあ、なにか事件が起こらないといいなあ。




・



「それで、項規先生は何処に行かれるんですか？」

「ああ、私は…」

生徒達が、蜘蛛の子を散らすように各教室へ向かう波に飲まれそうになっていると現代文の傘井先生と会った。



「ああ、そっか確かアロマセラピーですっけ？」

「そ、そうです。ちょっと興味があって」

各講座に数名の教師がつく。我々も希望が認められてたので、私はコロンのような良い匂いの調合ができる講座に出ることになった。


「いやあ、いいと思います。…僕いい香りのする方大好きなんで」

「え?」

傘井先生はもともと可愛らしい顔つきなので、上目遣いでそう言われると、変にむず痒い気持ちになる。



「アロマセラピーってことは、被服室ですね！僕、第二合併教室なんで、よかったら一緒に…」

「あ、どうも傘井先生。」

「!宇必先生」

後ろに気配を感じ振り返れば、そこには同じ数学科の重也さんがいた。私たちは同じ教科の担当ということもあってか非常に仲がいい。
なんなら、以前昼食を買い忘れた時に重也さん手作りのお弁当を少し分けてもらった。

いわゆるスパダリ？っていう感じの人で、落ち着きと品を持ち合わせた男の憧れを体現したような人。



「ということで、関次先生行きましょうか。楽しみですね。アロマセラピー」

「え、あ…傘井先生。すみません。それでは」

「あー、じゃあね！関次先生…」

宇必先生に手を引かれ、あわてて傘井先生に謝罪をする。



「すごい楽しみだね」

「そうですね。私楽しみで、昨夜しっかり寝つけませんでした」

「はは、小学生みたいだね。項規さんは」

「小学生…ではないですよ。でも本当に良かったんですか？私に合わせてもらっちゃって…」

「いいよ。いいよ。俺も興味あったから…それにやっぱり項規さんがいたから」

「ほんと何から何まですみません」

それから生徒の波に飲まれることはなかった。




…



「数学科だからって、ずるいなあ。下の名前でなんて…」

遠ざかっていく背中を見届けて、傘井は彼らとは逆の方向に歩き始めた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先日、実際のうちの学校でこう言った行事があって、数αのモデルの先生がアロマセラピーに行っててキュン死しそうになったのでこのお話を書きます。友達からその時の様子を色々聞いたので、それをもとに書いていきますw

...1→←…2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す