色々なzmニキ企画【w.r.w.r.d!】 (ページ6)

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すると扉が勝手に開いて、射し込む外の光が眩しくて目を細める。

「A、」
「え、なんで…？」

さっきいってきますと出て行ったはずの彼が目の前にいた。外行き用の顔を困ったようにしかめながら私を見ている。
驚いて行き場を失った手を掴まれたと思ったら、一瞬で体ごと彼の腕の中にしまわれてしまった。
ワイシャツからはゾムくんの匂いと洗剤、それから少しだけ糊の匂いがする。安心するし好きだなぁと思うけど、今はそれどころではない。

「ゾムくん！仕事は！」
「あー、忘れもんしてん」
「え？じゃあ取りに行くから、ちょっと離し、…っ！？」

慌てて彼の腕から抜けようとすると、額に唇を押し当てられた。言葉も出せないままにゆっくりと顔を上げると、照れたように口元を隠すゾムくんと目が合う。すると彼は小さく目を見開いてから、すっと視線を逸らした。

「…じゃ、行くわ」
「え…忘れ物は…？」
「それはもうええわ。あ、A、」
「なぁに？」
「───。」

ゾムくんは耳元に口を寄せて低く囁くと、ぱっと離れて、いってくる！と勢いよく出ていってしまった。
私は今度こそ鍵をくるりと回して施錠をする。そしてそのまま、玄関にへたりこんだ。