色々なzmニキ企画【w.r.w.r.d!】 (ページ5)

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本当はなんでもないわけではないのだけれど、口にしたらきっと困らせてしまうから、言葉にするのをやめたのだ。
昨日までの三連休中ずっと一緒にいたから、今日からまた仕事が始まってしまうのが寂しくて嫌。なんて子供みたいなこと、言えるはずがない。

私が首を振ったことで再び向けられた広い背中が、スーツが憎たらしい。
私のゾムくんを連れていかないで。と、そっと手を伸ばしてスーツの裾を引っ張った。思いのほか力がこもっていたのか、私の動きに合わせて彼の肩が揺れる。
それを見て、慌てて皺を伸ばすような動作でごまかした。

「行ってくる」
「…うん、いってらっしゃい」

磨いた靴も、ゾムくんが大事に使ってる鞄も嫌いになりそうなくらい憎らしい。
ばた、と自重で閉まった重たい扉を見つめる。
…静かだなぁ。ひとりってこんなに静かだったっけ。薄暗い玄関で彼の私物にまで嫉妬をする、自分の心の狭さに呆れて笑ってしまう。

「寂しいなぁ…」

また数日後に二人でいられる時間はやってくるけれど、だからと言って今のこの寂しさが紛れるわけではない。
ゾムくんを仕事に連れて行ってしまうスーツも靴も、車も嫌い。と胸中で悪態をついてから、とりあえず施錠をしようとノブに手を伸ばした。