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今日も当たり前のように彼の家に来て１日を過ごす。
今日は私が死んでから、４９日目だ。
そう、四十九日といわれる、死者の魂が現世に残っている最期の日である。
＿＿私は、今日中に彼の魂を奪わなければならなかった。
朝ベッドの上で大きく伸びをしていた鬱君が、はっとしたように
「A…？なん、で」
ふらふらとこちらに歩いてくる鬱君。何が何だかわからずに立ち尽くしていると彼は私の目の前で両手を広げた。
＿＿＿ふわっと、抱きしめられる感覚。
なんで？今まで何度彼に、物に触ろうとしても不甲斐なくすり抜けるだけだったのに。
それに、彼は今私が見えている？
「あったかい…。A、A…幻覚？ちゃうよな。なあA、なんでこんなとこおるんか知らんけど、また会えてよかった…」
ぼろぼろと涙をこぼしながらぎゅっと私を抱きしめる力を強める鬱君。
「鬱…君。見えてるの？」
「しっかり見えてんで。ああ、ほんま、…ごめんな」
「なんで！？謝らなきゃいけないのは私の方。私、」
「Aが謝ることなんてなんもあらへんよ！俺がもっと注意してれば…お前が…死ぬことはなかったんやで？」
真っ赤に腫らした目でこちらを見据え、そう言う鬱君。
「…でも、鬱君、…私あなたを殺さなきゃいけない…」
私がそう言ってことの顛末を話して聞かせると、彼は驚いたように目を見開いた。
「…そうなんや、でも」
「俺、Aがおらん世界で生きていくよりAに殺されたほうがええかもなぁ」
甘い口づけをされて、胸が幸せでいっぱいに満たされる。
「いつまでも愛してる」
「＿＿私もっ！」
その瞬間、彼の心臓は、ぴたりとその働きを終えた。
＿＿end＿＿
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