色々なtn氏企画【w.r.w.r.d.!】 (ページ7)

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お嬢夢主と執事tn ページ7

【気づく事】

お嬢が結婚する。そう聞いた時なぜか喜ぶことが出来なかった。
なんでなんやろ？けど、答えの出ないもやもやを抱えて、主の幸せを心から祝うことが出来ないなんて執事失格や。
そう考えた俺は結婚式当日、同伴することは出来ない事をお嬢に伝えた。

お嬢は思っていたよりあっさり承諾してくれた。
その横顔は心做しか嬉しそうに見える。

tn｢口うるさい執事とお別れ出来てさぞお喜びかと。｣
『そんな事言ってないじゃない。』
tn｢顔に出とりましたよ。まぁあちらでもしっかりとじゃじゃ馬っぷりを発揮してきて下さい。｣
『今日は一段と意地悪ね、トントン。』
tn｢その方が記憶に残るやろ？｣

報告した時嬉しそうにしてたことにイライラしたのが5割、本音が5割。
俺と離れるのが嬉しいなら徹底的に離れよう。俺は執事。お嬢が幸せになる事が1番の幸せやから。
でも少しだけ、忘れないで欲しいと願っていたかったんや。

そして当日。いつも通りに起きてお嬢の部屋に向かう。せや、今日からお嬢居ないやん。
主の居なくなったその部屋は少し肌寒く感じた。

いつも漂っていた紅茶の香りがしないだけ
いつも流れていた彼女お気に入りの音楽が聴こえないだけ

たったそれだけの事なのに、何故か胸が痛くなった。

tn｢…は？｣
極めつけに流れ出す涙。なんやこれ、訳分からん。
tn｢止まれ…止まれや！｣
ut｢びっくりしたぁ！とんち何やって…｣

俺の顔を見て一瞬固まった大先生。そらそうや、元主の部屋で大の大人が泣いてるんやからな。

ut｢あーあー、そんな未練たらたらなら式行ったらよかったやん？｣
tn｢未練なんざないわ。｣
ut｢は…？もしかして気づいてへんの？｣
tn｢何にやねん。｣

大先生は大袈裟にため息をついたと思うとこちらを指差し、質問と言う名の尋問を始める。

ut｢自分の気持ちにしょーっじきに答えてな？とんちはなんで今泣いてるん？｣
tn｢なんでやろ｣
ut｢…じゃあ2つ目。態々お嬢の記憶に残ろうとしたのはなんでや。｣
tn｢なんでお前がそんな事知っとんねん｣
ut｢僕がお嬢の相談相手しとったからや。｣

色んな相談したで？なんて得意気に語る鬱。そんなん執事にすればよかったやん。なんで俺やないんや。

ut｢で、僕が1番受けた相談はとんちの事。拗れるやろうから言っとくけど文句とかちゃうで？｣

恋愛相談や。

俺は目を見開いた。