色々なtn氏企画【w.r.w.r.d.!】 (ページ29)

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｢富田林さんはゲームが好きなんですか？｣
｢ええ、まぁ。人並みにですけどね。｣
｢凄い。私、全然上手くなくって…そうだ、富田林さん、私にゲーム教えてくださいよ。｣
｢まぁ、ええですけども…｣
｢良かったらTwitter、繋がりません？富田林さんも作ってたりしませんか、ゲーム垢…みたいなの。｣

トントンさんは首を傾げながら自分の端末に目を落とした。私だと薄ら気が付いているのならTwitterという言葉に反応してトントンのアカウントを見るはず。私はそう確信していた。

〝飲みに誘うくらい私に興味があるならはっきり言えばいいのにな～って思う今日この頃〟

そうTwitterで呟いたのはこのお店に入る直前。
そのツイートが目に入ったのか、此方を見る顔は拍子抜けしていて何だか面白かった。

｢Aさん。まだ、興味を持ったってだけ、やから。まずは、普通に話せる関係から始めませんか。｣

トントンさんのビールが光に反射して幻想的な空間を作り出す。目の前にいる彼は居住まいを直して、何処か恥ずかしそうに顔を綻ばせた。何処を切り取っても格好よく映るその姿に不覚にも胸が高鳴る。誤魔化すように、枝豆を1つ口に入れた。何だかしてやられた気分だ。早目に決着がつくと思ってビールを飲んだのが失敗だった。

｢勿論。密かに実況者友達が欲しかった所だし。｣
｢…本心はほんまにそうかどうか知らへんけどな。｣
｢意地悪。私は純粋に言ってるのに。｣
｢…は、ッ！？ちょ、ちょ、年頃の子がするっと男に触ってきたらあかんやろ！！｣

あれから数日、何故かゲームを教えると言う約束を覚えていたらしいトントンは律儀にも通話を介して苦手なジャンルである格闘ゲームをプレイしている。反射する光がうざったらしいくらい〝You lose!〟という見飽きた文字を誇張していた。

｢…はっ、雑魚乙！恋愛ゲームのし過ぎちゃうか？か弱い乙女なので人は殺せませーんって？草生えるわ。｣
｢絶対好感度上げて、『おいで、俺だけのお姫様(イケボ)』って言わせてやる…ッ！！待ってろ豚！！！｣

そんなこんなで、リアル乙女ゲーム開幕のコングが両者の頭の中で鳴り響いたのだった。

まだまだゲームは終わらない。序盤を終えたこの話の結末がハッピーエンドになったかどうかはまた別のお話──────

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