♯ ページ46
なんだろう? 思い当たる節がまったくない。そう思いながら鞄をガサゴソ漁る場地さんをジーッと見つめていると、中から可愛らしいクリスマスラッピングされた小さな箱を取り出していた。──え? もしかして。
「メリークリスマスっつーことで、やるワ。一日早いけど」
「ほ、ほんとに?」
「こんなんで嘘つかねェし」
「……開けてもいい?」
「おう」
両手のひらサイズのそれを慎重に開ける。破れないように、ゆっくりと。可愛い包み紙から出てきたのはここの近くにあるケーキ屋さんの箱。それを開ければ、今度は小さなマドレーヌが二つとサンタクロースとトナカイ、そして雪だるまが描かれたアイシングクッキーが姿を表した。
か、かわ、かわいい……! 目をキラキラさせながら勢いよく横を向けば、目尻を優しく下げて笑う場地さんと目があった。その顔は──ズルいでしょ。
「気に入ったか?」
「気に入った! でも、可愛くて食べられないよー」
「カビる前に食えよ?」
「わざわざ買ってきてくれたの?」
顔面強めな場地さんがこのアイシングクッキー買っているなんて……うん、ギャップが凄いわ。どんな顔して買ってきてくれたんだろ、見たかったなぁ。
──はっ! っていうか私、場地さんへのクリスマスプレゼント何も用意してない! 場地さんにすら女子力で負けてる気がする!
「場地さん……私、クリスマスプレゼント何も用意してないよ……」
「別に貰おうと思ってねーし」
「私だけ貰っちゃうのもなぁ……」
「こないだチョコくれたじゃん」
「でもそれはみなさんで、ってあげたやつじゃん。私も食べたし」
つくねをかじりながら、ぶすっと唇を尖らせる。帰るころにはケーキ屋さんも雑貨屋さんも閉まってるだろうし、コンビニかスーパーくらいしか空いてないよなあ。さすがにお返しがコンビニのケーキってのは申し訳なさすぎるからちゃんとしたもの買いたいし。
「俺も用意してなかったんだけどよ、Aちゃんの店歩いている途中でたまたま見つけたから買っただけなんだワ」
Aちゃん、食べんの好きだろ? と問われれば、もちろん二つ返事で頷いた。
「だからンな気にすんな」
「場地さんイケメン。超イケメン」
「知ってンだなーコレが」
お猪口片手に、にひっと笑う場地さんに私も笑みをこぼす。すると何か思い出したかのように「あ」と口にする彼にどうしたのかと首を傾げていると──。
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むつひら(プロフ) - かさごさん» 全裸待機ありがとうございます!遅くなりましたが帰ってきますー!待っていただけて嬉しいです😭✨ほんとにほんとにありがとうございます! (2022年1月13日 22時) (レス) id: 8695616f6d (このIDを非表示/違反報告)
かさご - 全裸で全力で待ってました!!!!ありがとうございます!!!!お帰りなさい!!!!(誰) 初コメ失礼いたしましたm(*_ _)m (2022年1月13日 17時) (レス) id: b2136fe961 (このIDを非表示/違反報告)
むつひら(プロフ) - 星海さん» 気遣っていただきありがとうございます😭✨完結に向けて少しずつですが更新していきます!大好きって言ってくださる星海さんが大好きです!ありがとうございます! (2021年12月29日 19時) (レス) id: 8695616f6d (このIDを非表示/違反報告)
星海 - 面白くて大好きです!ゆっくり、ゆっくり無理せずに投稿してくださいね!楽しみにしてます! (2021年12月29日 8時) (レス) id: d3e10c9f88 (このIDを非表示/違反報告)
むつひら(プロフ) - しろんさん» とても好きありがとうございます!必ず続きあげますので、お待ちください✊続きも面白いって思ってもらえるようにがんばります! (2021年12月27日 23時) (レス) id: 8695616f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むつひら | 作成日時:2021年11月12日 16時