第61話 ページ2
*
『あの、サク』
「あ、来た!サスケくぅ〜ん!」
私は彼女に忠告を下そうとした、が、どうやら少し遅かったようだ。
かなり遠くの方にいるサスケに反応し、直ぐさま彼の方へ向かうサクラ。視力良いね、君……
『……ま、いっか』
こうなったら仕方がない。お昼はどこか一人でひっそりと食べよう。……悲しい奴とか言わないで。
そう思い、フラフラと校内を歩き回る。すると、教室に帰る途中なのであろうシカマルを発見した。どうやら一人のようだ。
『シカマルー!』
ぱたぱたと彼の元へと駆け寄る
「あ?Aか。お前ももう教室戻んのか?」
『いや、お昼どこで食べようか悩んでて』
「はぁ?まだ食ってなかったのかよ!もう昼休み終わるぞ」
『えぇ!?それは困る!ご飯食べたい!』
「お前…班のやつどうしたんだよ」
『それが一人も捕まんなくてさー。あーもうここで食べちゃうか!シカマル一緒にいてよ、ボッチきつい』
「お前ここ廊下だぞ……まあいいか別に」
はぁ…と溜め息をはきながらも高速でお弁当をかき込む私のとなりにしぶしぶと言った様子で居てくれるシカマル。なんだかんだ言ってやっぱり彼は優しいのだ。
『そんなにため息ばっかついてると幸せにげるよー?』
「…誰のせいだと思ってんだよ」
『え、誰?』
「……もういい」
おいおいシカマルくん、まさか私のことじゃなかろうな。そのツンツンヘアーボンドで固めて鋭利にしてやろうか。
『ふーごちそーさん!』
「終わったか?なら戻るぞ、もう時間だ」
『イェス!タッカスクリニック!』
「なんだよそれ……」
そんな下らない会話をしながら教室へ戻る。
いよいよ上忍の先生とのご対面だ。
……まあ私の場合誰が来るのかもこれからかなり長い間待たされることになる事も分かってるから、わくわくも何もないんだけどね。
はぁ…一体何時間待たされるのやら……
『はぁ……』
「……幸せ逃げるぞ」
『うっさい誰のせいだと思ってるんだよ』
「いや俺なにもしてねぇだろ」
『いやシカマルが悪い。何もかもぜんっぶシカマルが悪いことにする』
「理不尽極まりねぇな…」
カカシさんへの怒りを無理矢理シカマルに押しつけ、私は長期待機への心の準備と共に教室の扉を開けた。
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色葉 - 星月夜*ミルトニア[3DS]さん» キャー!!嬉しいですありがとうございます!これからも更新速度保てるように頑張ります! (2017年9月5日 21時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
星月夜*ミルトニア[3DS] - 続編おめでとうございます!更新も早いし、話も面白いので読んでいて楽しいです! (2017年9月5日 20時) (レス) id: 4d66220430 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2017年9月5日 18時