検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:5,669 hit

ページ5

「――ありがとうございました。次は風紀委員より学園での過ごし方です」

 のんびりとりた時間が流れる中、司会の生徒会役員の声で小さな歓声が上がった。それは今、檀上の上に立った人に向けられたものだ。

「風紀代表、2年A組泉奏です。風紀から学園での決まり事を説明させて頂きます。
まず、新入生の皆様、九瓏ノ主学園にご入学おめでとうございます。貴方たちをこの場で確認できたことを喜ばしく思います。つきましては学園での――」

 奏は檀上でも戸惑うことは無く、決められた台詞をスラスラと口から滑らせる。それは感嘆の意を示すほどだった。
 始業式は何のトラブルも無く進み、生徒は教室に戻るように指示された。Aは行きと同じくしてアキラと行動していると、前方に見知った顔を発見する。
 それは数人の生徒と仲良く談笑しているようだった。話しかけるのもなんなので、そのまま二年校舎に行こうとしたのだが、前方にいた人物が後ろを振り向いたせいで見つかってしまう。友人と思われる人達と二言程度喋ったかと思うと、笑顔でこちらに向かってきた。

「A!」
「よお、ウィト」
「……なに、知り合い?」

 ウィトを知らないアキラだけ小首を傾げながら質問してきた。

「ああ、幼馴染」
「ふーん」
「あ、朴ウィトです! 宜しくお願いします!」
「おお、神生アキラだ。宜しく」
「アキラ先輩ですね!」

 Aがウィトに、何か用があったのかと尋ねると、何もありませんけど? と、そう返された。用が無いのなら、なんで友人にことわってまでこちらに来たのかという疑問が残る。

「友達は良かったのか?」
「多分? まあ、問題ありません!
それにしても、Aってこの学校では有名なんですね」
「は? 有名ってなんだよ」
「女子達が噂してましたよ」

 中学からの持ち上がりが多いこの学園では、Aを知っていたとしても可笑しいことは無いのだが、噂されるようなことをしたかと眉を顰める。

「あ、悪いことじゃ無かったんですけど……」
「じゃあ、なんだよ」
「まあ、俺は大体わかったぜ」
「アキラ?」

 アキラに聞くも、やんわりと誤魔化される。特に大したことではない、と。

「えーと、朴?」
「あ、ウィトで良いですよ」
「じゃあウィト、Aは変なとこで鈍いからそういうこと言ってもわかんねーよ」
「本当ですか? 知りませんでした」

 ウィトは新たな発見です、と笑ってからそろそろ行きますと一年校舎の方へ駆けて行った。

5→←3



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
29人がお気に入り
設定タグ:アルスマグナ , 男主 , 二次創作   
作品ジャンル:ギャグ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:彩葉 | 作者ホームページ:ありません  
作成日時:2013年12月29日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。