その2 ページ2
未だにどこかはっきりとしない頭で、目の前のあり得ない光景を呆然としながら見つめる。
するとだんだん「あー私ほんとに来ちゃったんだなぁ…」という実感がじわじわと湧いてきた。
『…うわぁ…まじかぁ……』
そう呟き、自分の頬をつねってみる。うん、痛い。
「だから現実だっていってんでしょーよ……ま、取りあえず顔洗って目覚ましてきなよ。向こうに洗面所あるから」
するとカカシさんは相変わらずボーッとしている私にそう伝えたかと思いきや、再び奥へと消えていってしまった。
『………と、とりま顔洗うか…』
本当はまだ目の前の状況をきちんと整理しきれてなどいなかったが、今は考えたって仕方がない。そう思い、一先ずカカシさんの言う通りに洗面所に向かうことにした。
カカシさんが言っていた方向に少し歩く。すると案の定無事目的地に到着することがでにた。そしてそのままの流れでいつも通り顔を洗おうとした、のだが……
…明らかに普段よりも洗面台が高い。その違和感に顔をしかめる。
……漸くそこでこの世界でのもう一つのとんでもない事態を思い出した。
そうだったー！！私今縮んでるんだったー！！
それに気がつくと、その場にガクッと膝から崩れ落ちた。絶望のポーズの完成だ。体が縮むだなんて到底あり得ないことなもんだから、完全に忘れてしまっていた。
ってかほんとに何なの！？いきなりトリップしたかと思いきや体は縮んでるし目の前に嫁は居るし！！もうほんと訳わかんないんだけど！？ここまで来ると流石に頭に来るっての！！
確かにNARUTOの世界に来られたのは嬉しいよ？もちろん嫁に会えたのも！でもだからってこんなどこぞのバーローみたいな設定いらねぇから！！普通にいい迷惑だから！！
そう、朝からプンスカ腹を立てつつも顔を洗い終え再びさっきのの部屋へと戻る。
…？そういやカカシさんどこ行ったんだろ……
そう思い、今度は嫁の捜索にあたることにした。カカシさんが先程消えていった方へと私も向かってみる。すると案外あっさりとそのターゲットを見つけることができた。
「あ、来た来た。どうだ？少しは目覚めたか？」
『…目は覚めましたけど同時に怒りも目覚めましたね』
「？なんかあったの」
『…体縮んでたの完全に忘れてました』
私がぶすっとした顔でそう告げると、どこか納得したかの様にあぁ…と呟いたカカシさん。
ってかなにがあぁ…だよ私が嫁よ。全く他人事だと思いやがって…！！(他人事)
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作者名：色葉 | 作成日時：2017年10月2日 0時
