よんわめっ！ ページ4
敵は一人、つまりこちらが数的には優勢である。
だが、しかし。かっちゃん達の方に何人いるか……。それにデク達や村の方にも……―――。
常「……紫藤、戦闘に集中しろ」
『……ごめん、常闇くん』
常闇くんの傍に駆け寄って、敵の情報を得る。
敵の個性は、
単に武術に長けているというわけではないようで、もう一つ個性を持っている可能性を考えるべきだと常闇くんには教えてもらった……が、
近接攻撃を仕掛けに懐に忍び込み、攻撃をしかける。
敵を吹っ飛ばした。良いところにヒットしたようにも思われたが、すぐさま反撃してくるあたり、そうでもないのかもしれない。
後ろでは、何度も爆発や凍結が起っているようだから、あちらも手こずっているのだろう。
……何だろう、嫌な予感がする。
額を流れる汗をぬぐいながら、歯を食いしばった。
瞬きだけはなんとしてもしてはいけない。個性が外れてしまえば、こちらは態勢を整えきれないだろう。
小鳥が頭上を舞っている。強風が体を叩きつける。
ちらりと見遣った町の方も煙がたっていたから、戦闘中なのだろう。
……こういう時の予感は当たってしまうから嫌だ。
障子くんと常闇くんが敵を引きつけている間に自分も攻撃を仕掛けに行くが、相手は底なしの体力お化けのようで、息切れ一つしていない。
わたし達だって、そこまで息切れしているわけではないのに、もう体力がない……気がする。
『敵をかっちゃん達の方まで引きつける？』
常「いや、示し合わせていない限り、それはしない方がいいだろう」
『そっか、やっぱり……。でも、お化けすぎじゃない？この敵』
常「そうだな、体力お化けだな……」
敵「なかなか粘る奴らじゃねーか！……だが、貴様らには散ってもらおう！」
『ヴィラン連合にこんな奴いたっけ？』
常「いや、……俺の記憶にはないな。……紫藤、口田を頼む」
『りょーかい！』
敵が何かアクションを起こしそうなので、一度戦闘から離脱し、口田くんの元へと向かう。
彼は怪我もなく、木陰にいてくれたので、こちらとしては一安心だ。
常「―――っ、紫藤！個性を解除してくれ！！」
『え―――なんで、っ』
常闇くんの言葉に耳を疑いながらも反射的に個性を解除する。
目が慣れるまで、しばたたかせているうちに、敵は大空に向かって手を広げ、何かを上空に打ち上げていた。
続く
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