傷だらけのマスク男子【BLオリジナル】

◆ヤバい客◆ ページ9

あ、そういやあいつは？マスク男。

……

……いた。なんだ、笑顔じゃん……他の客にはちゃんと愛想よくしてんのか……

笑顔、あの男そっくりだな……やっぱり兄弟の可能性高いなこれは。てか、逆にこんな似てて血縁関係なくても怖いんだけど……

……ん？

アイツ何してんだ……

複数人の柄の悪い客に腕を引かれ、耳元で何か囁かれると、一瞬躊躇してから頷き、そして、柄の悪い客と共に外に……

……って、

なんかヤバくねぇか？普通店員が客に連れ出されること、ある？特別仲の良い相手ってわけでもなさそうだし……

そうだ、マスク男の兄弟っぽい奴。あいつの反応でヤバイかどうかわかるか……？もし兄弟なら流石に心配しそうだ、し……

……

……してねぇ

気付いてないのか？相変わらず胡散臭い笑顔顔面に貼り付けやがって……隣には別の美女がいるし……仕事しろや！

なんて毒を吐いた時、俺はマスク男が昨日言ってたことを思い出した。

"……ふん、余計なお世話。別にいつものことだしいいんだよ"

……アレがいつもってことは……もしかしてさっき連れ出した奴もマスク男になんらかの危害を加えようとしてるんじゃ……

そう思った瞬間、俺はいても立ってもいられなくなり、店を飛び出した。

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