傷だらけのマスク男子【BLオリジナル】

◆＊◆ ページ14

「あ〜……俺、ここのカフェ通おうかな」
「……は？」
「お前のこと、心配だし。お前が呼び出されたら、お前が殴られそうになったら、助けてやるよ」

……特に深い意味はない。本当に心配で、ちょっと笑顔が可愛かったから、見守るだけ見守ろうかって思った、ただそれだけ。

でも、マスク男は困ったように笑って言った。

「気持ちだけ受け取るよ。ほら、俺のことなんか気にしだしたらキリがないよ。いつ連れてかれるかわかんないしさ」
「……別にいいよ。いつも暇だし」

……もしかしたら、俺がいるのはマスク男にとって、迷惑なのかもしれない、そう思った。

……でも、せめてその傷が治るまでは見守りたい。お前の傷が消えて、マスクを外して笑えるようになったら、もう店には行かないから。

「よくないって……俺なんかに構わず好きなことやりなよ。アンタの時間がもったいない」
「……俺はその時間で、お前の傷をなくしたいって言ってんの。黙って守られとけ、喧嘩弱いくせに」

俺がマスク男に軽くデコピンをしながら言うと、マスク男は顔を真っ赤にしてぷいと横を向いて、俺には聞こえないくらいの声で、何か呟いた。

「……何？」
「あ、いや、なんもない……」
「あっそ、てか顔真っ赤じゃん。急にどうした？」
「……なんもない！」

意味わかんねーの……まぁ、でも守られんの嫌って言わないイコールお前の好きにしろってこと、だよな？

これからは毎日放課後とか学校ない日にカフェ通おうっと。

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