俺の友達は女装趣味がある。[BL] (ページ12)

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＊11＊放課後の教室で練習開始ページ12

放課後、俺たちは教室に残って練習していた。

女子的には体育館の舞台で練習をしたいみたいだけど、体育館はリハーサルの時しか使えない。他にも舞台を使うクラス、軽音部や演劇部も使うから、俺たちだけが使うわけには行かないんだ。

「ひ、光……」
「何」

めちゃくちゃ緊張しながら光に声をかける。正直吐きそうだし、胃に穴が開きそう……逃げたい……

1人ずつ読んでって、俺の出番が近づく度に冷や汗が……

「緊張する……」
「はぁ……青葉、お前そういう人前で何かとか平気でしょ？」

やれやれと光はため息をつく。

「演技はスピーチや発表とは別なんだよ！それに……」
「それに？」

……お前とのキスシーンが、一番緊張すんだよ。

とはもちろん言えず、俺は笑って誤魔化す。

「あぁ……本当にどうしよ……」
「……青葉なら大丈夫だよ。ほら、女子にモテるために頑張りなよ」

そう言ってふわっと笑う光。可愛い……

そうだ……俺、女子にモテたいから王子役引き受けたんだ……ここで頑張らなくてどうする……

「……あ、俺そろそろだ」

光が台本を見ながら呟く。

「おぉ、頑張れよ！」
「うん」