蝦夷菊の花を貴方に。 (ページ16)

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千「急に連絡来て驚きました…。」

『ごめんね、千羅さんしかいなかったの。』

頬を少し赤く染め、満更でもなさそうな顔をする彼を見ていると、中三の頃の片思いしていた時期の頃を思い出す。

本当にずるい女だな。

一度振っておいて、自分の気持ちに気付いたからってもう一度貴方が私に想いを伝えてくれないか、なんて考えてしまう私は最低な女。

『ねぇ、千羅さん。』

千「ん？どうかしました？」

『千羅さんは騙したりしませんか？
私の事、ずっと好きでいてくれますか？』

千「一回振られたのに諦めないセンラにそれ聞きます？w」

少し首を傾げながらふわっと笑う彼にまた胸がとくんとなった。

『私、めんどくさいよ。
嫉妬だってするし、千羅さんの前でいっぱい泣いちゃうかもしれない。』

千「それはお互い様やん。」

『千羅さん、信じてもいいですか？』

千「………絶対幸せにしたるから。

だから、だからさ。センラのものになってや。」

ぐいっと腕を引かれ、千羅さんの腕の中にすっぽり収まる。

千羅さんの匂いに包まれると顔が熱くなる感覚を覚える。

『……千羅のものになるから。
絶対、絶対幸せにしてくれるって約束して。』

千「任せてください。」

余裕そうな彼の耳を横目で見てみるとそこは真っ赤に染っていた。

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