鬼退治弐拾壱 ページ25
しかし、数年前、ある事があってから、例の鬼が姿を現さなくなった。それに関する報告がパタリと途絶えたのだ。
勿論最初こそ戸惑ったものの、各々折り合いをつけ、本当の意味での鬼狩りに力を入れた。
そんな暮らしが数年、またもやあまりに突然起こった事だった。
――閑話休題。
仏と唯譜以外、知っていることをまた知らされたに過ぎないのであまり驚くことはなかった。ただ、やっぱりかー…と。
先程の、一人出ると十人はいるっていうのは、(言い方が限りなく最低だが)あながち間違いではなく、例の鬼は共鳴するように次々と現れるのである。
ちなみに、お館様から届いた文を読んだときの無子らの屋敷は、言葉では言い表せないような異様な雰囲気に包まれていた。シリアスと無子らの驚き具合が混ざり合い、それはもう混沌としていた…とでも言っておく。割愛。
とはいえ、仮にもその事実を重いものだと認識していた二人は、落ち着き払っているいつも通りの彼らの様子を見ると、なんとも言えない気持ちになった。柄にもなく緊張してたのに。
「なんやー俺らがいない間に全部済んでたのか…気ィ抜けたぁぁ…酒飲みてー」「ダメだっつってんだろ！！」
「ちょっとしょーちゃん知ってたの！？すぐに言ってよ！ビックリしたじゃん！！」「そんなん言える雰囲気じゃなかったやろッ」
強張っていた表情が緩んで、二人も通常運転に戻った。
「…これから多分、ちょっとずつ例の鬼も増えてくると思うから気をつけてね。…はぁ…もうタイミングが全然わかんない」
無子が言って一同がうなずく。すると悠佑が口を開いた。
「けどなぁ…、なんか引っかかるんよな…違和感？…もしかしたら、これからなんか起きるかもしれんな」
「兄貴が言うと冗談に聞こえないんだよなぁ…」「それな…。兄貴、言霊だよ言霊。ホントになっちゃうよ」
「いや、いい意味でやから。八方塞がりだった状況が一つのきっかけで少しづつ少しづつ変わって、最終的にデッカくになってこっちの追い風になるときがくる気がする」
「…？やけに具体的やん。確信？」「いや全然」「なんでやねーん」「ノリが古い」
どうやら確信はないらしい。彼もまた脳筋タイプだったのはいうまでもなかろうか。
――しかし後に、その言葉は確実に的を射ていたことを、このときはまだ、神のみぞ知ることであった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「いれいす」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねぼけ - みかんさん» みかんさぁんッ！お久だァ！！返信遅くなってすみません＆全然更新できてなくてごめんなさいぃぃ！！（土下座）みかんさんと読者様のコメントが！マジで！！生きる力！！（重い）ホントにありがとうございます（大泣き）全然迷惑じゃないからこれからも遊びに来てね！！ (2023年3月8日 22時) (
レス) id: b257397a37 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - (続き) 今あるお話を一万回でも百万回でも読み返して、会話っぽいけど会話じゃないくらいのおふざけコメントを送り合うって言うのを！！ねぼけさんが！！迷惑ではないなら！！頻繁にではなく！！二ヶ月置き程度で！！…出来たらいいなと思ってい#%;@(小声) (2023年2月19日 13時) (レス) @page26 id: 690023fd12 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - NE★BO★KE★さーーーーーーーーーーーん！！！！お久ですう❤(( 何十年未来でもねぼけさんを待ってるOrange🍊です★ でも私正直、ねぼけさんに無理して欲しくないので！ (2023年2月19日 13時) (レス) @page26 id: 690023fd12 (このIDを非表示/違反報告)
ねぼけ - みるくるみさん» ありがとうございます！今までは私が夢主を書くのが苦手であまり手を出してなかったのですが…ちょっと番外編とかで書いてみようかな！？と思っております！！果たしてそれはいつになるのやら…（なんだコイツ）気長に待っててくれると嬉しいです！ (2022年12月3日 12時) (レス) @page24 id: 83650a3b8c (このIDを非表示/違反報告)
みるくるみ - とてもおもしろいです！！女主がいるバージョンも見てみたいです！ (2022年11月29日 15時) (レス) id: 84f17b04e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねぼけ | 作成日時：2022年1月21日 23時
