第一章：鬼退治壱 ページ2
先程、彼らに任務の報がきたのと同時刻。
場所は変わり、すっかり太陽の沈んだ、真夜中の山道。
今は誰も住んでいない、以前豪邸だった場所に続く道では、どこか不気味な静けさの中、場に似合わない子供の声が響いていた。
「ねぇけんちゃん…やっぱり怖い…もう帰ろうよ…」
「う…でもっ…！ゆうたはあいつらにあんな言われて悔しくねぇのかよ！」
「…それはっ…！」
ガサッ
((ビックゥゥ！！！！))
ただ風で木が揺れただけなのだが、ここにいるのは子供。ましてや、まだ十にも届いていない幼い二人のみ。
半べそをかきながら「けんちゃん」と呼ばれた方は、武器のつもりなのだろうが、必死で少し太めの木の枝を振り回し、「ゆうた」と呼ばれた方は、目をぎゅっ瞑り、けんちゃんの着物の裾がしわくちゃになるまで掴んだ。
しかしなぜこんな夜中に子供が居るのだろうか。それにはまぁ、子供なりの深い訳があった。
時を遡ること先刻。
泣き虫、弱虫、おまけに断れない性格のゆうたは日頃から結構いろんな奴らに絡まれる。
今日もそのはずだったのだが、今回はけんちゃんが助けに来てくれた。ただ、大喧嘩した挙げ句、
「夜の化け物屋敷に行ってきたらもういじめない…！」
どうせ行けないだろうとぬかす。カチンときたけんちゃんは、見てろよ！！と吐き捨て、ゆうたの手を引いて走り去った。
そして、今に至る訳だ。
想像よりずっと暗く、不気味だったそこに手は震える。
「ゴメンねけんちゃん…俺が弱いから…」
終いには泣き出すゆうた。
つられてけんちゃんも涙目になりつつ、ついに化け物屋敷に着いてしまった。
ひゅっと冷たい風が背中を通り抜ける。
やっと固く決心をし、けんちゃんが戸に手をかけた、と同時に、ゆうたの、ずっと着物の裾を掴んでいた感覚が無くなった。
え、という言葉は声にならなくて、代わりに灯りとしてけんちゃんが持っていたちょうちんが音をたてて落ちた。
体が動かなくなった。嫌な汗がこめかみを滴う。
さっきまですぐそこにいたはずの、目の前にいたはずのけんちゃんの姿が、なくなっていた。
今宵も、夜の闇に溶け混むように、人がまた一人、姿を消した。
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ねぼけ - みかんさん» みかんさぁんッ！お久だァ！！返信遅くなってすみません＆全然更新できてなくてごめんなさいぃぃ！！（土下座）みかんさんと読者様のコメントが！マジで！！生きる力！！（重い）ホントにありがとうございます（大泣き）全然迷惑じゃないからこれからも遊びに来てね！！ (2023年3月8日 22時) (
レス) id: b257397a37 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - (続き) 今あるお話を一万回でも百万回でも読み返して、会話っぽいけど会話じゃないくらいのおふざけコメントを送り合うって言うのを！！ねぼけさんが！！迷惑ではないなら！！頻繁にではなく！！二ヶ月置き程度で！！…出来たらいいなと思ってい#%;@(小声) (2023年2月19日 13時) (レス) @page26 id: 690023fd12 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - NE★BO★KE★さーーーーーーーーーーーん！！！！お久ですう❤(( 何十年未来でもねぼけさんを待ってるOrange🍊です★ でも私正直、ねぼけさんに無理して欲しくないので！ (2023年2月19日 13時) (レス) @page26 id: 690023fd12 (このIDを非表示/違反報告)
ねぼけ - みるくるみさん» ありがとうございます！今までは私が夢主を書くのが苦手であまり手を出してなかったのですが…ちょっと番外編とかで書いてみようかな！？と思っております！！果たしてそれはいつになるのやら…（なんだコイツ）気長に待っててくれると嬉しいです！ (2022年12月3日 12時) (レス) @page24 id: 83650a3b8c (このIDを非表示/違反報告)
みるくるみ - とてもおもしろいです！！女主がいるバージョンも見てみたいです！ (2022年11月29日 15時) (レス) id: 84f17b04e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねぼけ | 作成日時：2022年1月21日 23時
