14（過去） ページ14
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その日は梅雨明けさながらの湿気が残る太陽の眩しい日。
確か時刻は昼食も終わり各々が好きなことをする昼下がりにAは自室で1枚の紙切れを見ていた。
【誰にも気づかれず屋上へ来い】
達筆な字で綴られたその言葉を眺め、Aは静かに腕を組む。
確かに気配を消して誰にも気づかれず屋上へ行くことなんて彼女にとっては造作もないことだがはたしてそれは本当に最善と言えるのだろうか。
だが約束を守らなければ彼らに危害が及ぶ可能性もある。
Aは一旦深呼吸をして机に備え付けの灰皿に紙を置いて火の点いたマッチを投げ入れた。
それを少し眺めたあとAは腕につけていた最高権力者の証である赤の腕章を机に置き背を向け部屋を出ていく。
彼女は自分の命の危険よりも彼らの無事を優先した。
それが悲劇へと繋がることを知らずに。
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屋上には静かな壁がふきつけていた。
Aは塀に手をかけ下の中庭で対人戦をする4人を見ながら"奴"を待っている。
｢あれ？早くない？｣
『………そっちから呼び出しておいてあとから来るのは非常識じゃないか？』
｢へへ、すんません｣
Aの叱咤に奴はへらりと笑いのけた。
青みがかった黒髪を風に揺らした奴は眠たげな瞳を細めてAへ手を差し伸ばした。
｢A・ライアーさん。俺らの国へ来ませんか？｣
Aの碧眼と奴の蒼眼が交差する。
その間を区切るものは何も無く、あるのは風と中庭からの剣を交える金属音だけだ。
しばしの膠着の据え、口を開いのはAだった。
『断る』
言い切った彼女の瞳に迷いはなく、目の前のやつに対しての敵対心で溢れている。
それを見透かしたように奴は鼻で笑い、肩を竦め手を挙げる。
｢やっぱりぃ？まあ元々期待とかしてなかったんで。じゃ｣
さよなら。
彼はそう言いAへと急速にAとの距離を詰める。
突如の行動にAは咄嗟に身を引くがそれは間違いだった。
がきん、と屋上の柵が外れた。
それはまるで元から切れていたかのように。
そして彼女は宙を舞った。
最後に見えた顔は喜びの中に滲む憎悪の表情。
その意味を考える間もなくAは地面へと叩きつけられた。
それが、あの日の真実。
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天笑くん(プロフ) - もう更新はなされないのでしょうか……。Twitterの垢などありましたら是非繋がりたいです……。 (2020年10月3日 4時) (
レス) id: 009e7901bd (このIDを非表示/違反報告)
つん - あああああ好きです (2020年3月11日 23時) (レス) id: cfb0800075 (このIDを非表示/違反報告)
まぁち - え、もうやばい… 惚れる… (2020年1月6日 21時) (レス) id: ba1aceb76e (このIDを非表示/違反報告)
パセリ(プロフ) - いおさん» 乙女ゲー…なるほど、その考えはありませんでした。検討してみます。コメントありがとうございます (2019年11月6日 6時) (レス) id: 1c07c807f8 (このIDを非表示/違反報告)
いお - 乙女ゲーパロがいいです！ (2019年11月5日 19時) (レス) id: 35fa5d69c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@mimizu810 | 作成日時：2019年8月7日 2時
