13：太陽で月で星で ページ14
シッマが言い出した勉強会で、一華の家に集まったのは六人。
始まった直後は、男女の総合点で競おうという話で盛り上がっていた。勝った方が相手になんでも好きなことを頼める、ということらしい。
それを決めてからやたらとみんなやる気を出しているような気がする。
「ねぇちょっと休憩にしない？」
「俺アイス食べたい…ちょっとシッマ、ほら買って来いよ」
「自分で行けお前！」
一華の言葉でみんな手を止める。確かに、ちゃんと集中して勉強できていた気がする。
「じゃんけんや！」
「負けた人がお使い？」
「負けた人二人にしよ」
シッマと一華がそう話して、じゃんけんをすることになった。これでシッマと伊織、とかになったらちょっと嫌、かも。
結果、私と宇津井くんが負けた。
「じゃ、宇津井よろしく」
「大先生、俺ダッツな」
「なんで俺だけやねん、Aさんも連れてくわ！奢りちゃうからな！あとでちゃんと金取るで！」
一華と志谷くんってやっぱり息ぴったりだと思う。
「各々何がええか言うて」
「おまかせ」
「それが一番困んねん」
「大先生のセンスで」
「あーもう知らへんからなごっつ不味いの買うてきても」
何人かの希望をきいてから、宇津井くんと部屋を出る。宇津井くんと私というのはなかなか珍しい組み合わせのような気がした。
「Aさんってシッマの幼なじみやんな？」
「せやで」
「Aさんとシッマって相性良さそうやもんな」
そう言った宇津井くんを驚いて見る。
「え、うそや、なんでそう思ったん？」
「なんとなくやけど。シッマって昔から今みたいな感じなん？」
「うん。…昔からシッマは私を引っ張っていって、色んな事を教えてくれた」
小さかった私にとって、シッマは太陽であって、暗い夜を照らしてくれる月でもあった。
そして、キラキラ輝く、決して届かないのに美しい星でも。
「熱烈やな」
「あっ、ちが……ちがう、別にそういう意味ちゃうから！」
「わかったわかった」
「ホンマにわかってんの！？」
にやにやと悪い顔をする宇津井くん。
ただシッマは私の初恋で、憧れで。
でも私なんかとは釣り合わない、輝く星で。
「私なんかじゃ、シッマの隣は歩けないよ」
「むしろAさんくらいやと思うけどな、シッマについていけるの」
そうかな。
だとしたらそれはちょっと、嬉しいかもしれない。
14：わかっていても言えない→←12：行動の理由は大抵が君だった
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茜(プロフ) - 神作でした…終わり方がとっても好きです…なんでこんなにhit数少ないのか疑問です、もっと多くの人に読んで欲しい！と思いました (2019年11月14日 23時) (
レス) id: d2182e9bad (このIDを非表示/違反報告)
zut（ジット）(プロフ) - 自分は意思があるけど言えないわけじゃなくて、意思が弱いというか何も考えていないというか…私もknさんみたいな人に振り回されたいなぁって思わされるお話でした！楽しく読まさせてもらいました。ありがとう！！違う作品の更新も頑張って！！ (2019年8月1日 12時) (レス) id: a768d99ede (このIDを非表示/違反報告)
zut（ジット）(プロフ) - 完結！！お疲れさまでした！最後の方では、自分の意思をしっかりと伝える所にすごい感動しました。これからもknさんに楽しく振り回されていくんだろうなぁ。 (2019年8月1日 12時) (レス) id: a768d99ede (このIDを非表示/違反報告)
ものくろ*(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品は特にせなちゃんに共感出来る所が多く、コネシマさんがカッコよかったので更新されたら毎度ガッツポーズかましてたような記憶があります笑 残り二人の小説も終わりまで拝読させてもらいます！素敵な作品を有り難うございました！ (2019年7月31日 22時) (レス) id: addff992e8 (このIDを非表示/違反報告)
千白は山に住む(プロフ) - 桜藍さん» コメントありがとうございます！3つ同時は結構無謀だったかなと思っているところです笑 本来の性格ってなかなか変われないですよね……(*´-`) ありがとうございます、頑張ります！ (2019年7月6日 18時) (レス) id: f80b5e4d2a (このIDを非表示/違反報告)
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