100 The prisoder of Azukaban ページ1
マルフォイ邸への滞在が決まったその日、キングスクロス駅を降りるとマルフォイ夫妻が渋い顔で立っていた。
ルシウスと目があった瞬間、露骨に視線が視線が逸れたことで、ドラコの言ったことは嘘ではないのだと確信した。
唯一何も知らないドラコが間に立とうと必死だったが、Aは丁重に断った。
大したお喋りもなくマルフォイ邸に到着すると、待っていたのはあのグレイだった。
「A様、お待ち申し上げておりました。
本日よりグレイめがA様の身の回りのお世話をさせていただきます。マルフォイ家のおぼっちゃまも、どうぞ御用とあらば、いつでも何なりとお申し付けください。」
Aに一言も口を挟ませなかったグレイは、Aの荷物を手に取って堂々と中に入って行った。
突然のことで訳が分からなかったが、中にお入りくださいとルシウスが行ったことでAは遠慮なく中に入った。
相変わらずスリザリン色の強いこの家が、Aはあまり好きじゃなかった。
最近は少なくなったが、小さい頃はよくお互いの家を行き来していた記憶がある。
客間の一室はその影響か何か知らないが、すっかりA専用の部屋となっている。
荷ほどきを丁寧にし、いつも自室で過ごしているように全ての用意を整えるグレイ。
ギルバート邸専属の屋敷しもべ妖精なのに、どうしてここまでわかるのかいつも不思議だった。
「ねえ、グレイ。」
「はい、何でございましょうか。A様。」
グレイはどこの屋敷しもべ妖精よりも、きちっとしていた。
身なりも礼儀作法も言葉づかいもから、立ち振る舞いまで。
姿が人間だったら、間違いなく英国一の紳士になっているだろう、彼の背筋がピンと伸びた姿勢は見ていて気持ちがいい。
Aは空色の目で彼を見つめた。
「私はいつまでここにいるのかしら？」
「それは私には何とも言えません。」
「両親からの伝言もないの？」
「はい、残念ながら一切お預かりしておりませぬ。」
申し訳なさそうに頭を下げるグレイに、いいの、と言ってAは手を振った。
だがグレイのきゅっと固く結ばれた口を見ていればそれが嘘だというのはすぐわかった。
「また何か企んでるのね…」
Aは遠い目をしながら、ぼうっと窓の外を見ていた。
一通り片付けが終わったのだろう。
グレイの出ていく音がする。
ありがとうといつもなら言うのに、なぜか今は言う気になれなかった。
A様、失礼いたします。
その言葉を最後に、ぱたんと扉が閉じた。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ありがとうございます。少しずつ変化を与えられたらと、頑張っております。これからもご覧いただけたら幸いです。 (2019年9月6日 3時) (
レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 拝読させて頂きました。ハリーポッターシリーズは以前から好きだったので夢小説も自然と興味が出ていました。夢主とドラコの関係性が好みでした。 (2019年9月5日 9時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - うさみゅ。さん» ありがとうございます！こちらこそ、読んで頂けるだけで幸いです。挨拶の方は一つ一つ丁寧に書こうという戒めで、書きました。これからもご愛読頂けたら幸いです。 (2019年7月25日 10時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
うさみゅ。(プロフ) - こんばんは。夜遅くに失礼します！題名に惹かれて読み始めたのですがとても面白いですね！まだ2までしか読んでおりませんが続きを早く読みたくなりました。ようこそ、これがの挨拶もとても素敵だと思いました。更新の方頑張ってください。 (2019年7月25日 3時) (レス) id: 3ec25a42f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｉｒａｉｚａ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月8日 0時
