512 Hideout ページ13
どれくらい景色が一転、二転したことだろう。
いくつもの中間地点を経て、ドラコとAは薄暗い部屋にやってきた。
「ドラコ、大丈夫？
体の一部がなくなってたりしない？」
「…物騒なことを言うな…」
はあと息をついたドラコは、はらりと落ちてきた髪を救い上げた。
「ったく、万が一のためと思って、覚えておいた逃走ルートをこんなタイミングで使うなんてな…」
「全くねえ、もう少し保つかと思っていたけれど、まさかあのタイミングで人攫いに捕まるなんて…ついてなかったわ。」
ふうと倒れ込んだAに、ドラコはジロリと見下ろした。
「いずれ逃走するかもしれないと言う話は聞いているが、母上に何をした。」
「…気がついていたの？」
「血相を変えてやってきた母親を見て何も思わないと思ったのか？
僕たちの計画はバレていないはずじゃないのか？
どうして、ベラトリックスおばさんはあんなにも怒っていたんだ。
話してくれ、何を隠していて、これから何をして、君の敵がなんなのかも、全部だ。」
真剣な灰色の目をじっと見つめるA。
「いいけれど、もう後には引けないわよ。」
そう言ってパチンと指を弾けば、待っていましたと言う様に辺りに火が灯った。
辺り一帯に広がったその場所は、ブラック家のようなところだった。
ようなであって、グリモールド・プレイス12番地ではない。
ある書店から売却した土地を、Aの魔法を使って中を過ごしやすいように改造したのだ。
絢爛豪華なシャンデリアも、寛げるように精を尽くしてくれる屋敷しもべ妖精もいないが、本に囲まれた空間はAにとっても落ち着ける空間だった。
「…前から思っていたが、本当に母上の実家そっくりだ。」
「そっくりなように作ってあるもの。」
「何故？」
「いつか襲われてもいいように。目眩しがわり。」
「ああ、襲撃を予想して…ってはあ？！」
慌てている顔に、Aはふっと笑った。
「冗談よ、少し思い入れがあるから。こうしているだけ。
それに、本に囲まれている部屋なんて私の実家やお爺さまの別荘になってしまうもの。
そんな部屋になったらいざと言うときに、捨てるに捨てられなくなるわ。
大切な蔵書もあるし。」
「高価な蔵書は捨てられず、思い入れは捨てられると。」
ドラコ のツッコミも虚しく、Aはツーンとした顔をしていた。
「話の本題に戻るけど。
あなたが知りたいのは、隠し事と、これからの目的と、私の敵であってる？」
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イライザ(プロフ) - ルリさん» お返事遅れてすみませんでした、ありがとうございます｡色々な作品の中でも印象にの子たのが印象に残ったのが幸いです、不定期ではありますが新しく物語を始めました｡またそちらでもお会いできたら幸いです｡ (2021年3月15日 2時) (
レス) id: d70a88eee0 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - 初めて感動しました。とても素晴らしい作品だと思います。言葉では表せないです。色々作品を見てきましたが、自分の心にすごく刺さって、感情移入しました。もっとイライザさんの作品を見てみたいと思いました。素晴らしい作品を読ませて頂きありがとうございました (2020年12月16日 15時) (レス) id: f2a767728c (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - 鈴猫さん» お返事が遅れてすみません、ありがとうございます、ここまで長く続けて来られたことに感謝です。本当にありがとうございました！！ (2020年7月20日 23時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
鈴猫(プロフ) - すごく面白かったです。主人公の最後は思わず涙が流れました。どんな最後にしろhappyかbadなのか、それは人それぞれなのですが凄く良かったです！素敵な作品をありがとうございました！ (2020年4月17日 6時) (レス) id: c2b147e245 (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» これで書かないのはちょっとなあと思いながら、書いていました。正直後悔はしていません。でも泣いたという言葉をもらえただけで、自分の中で気になっていたモヤモヤが貼れました、ありがとうございます。if話では精一杯幸せに書くのでご覧ください。 (2020年4月14日 23時) (レス) id: 2c5d1feb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イライザ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年11月22日 13時
