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どんっ
ノヴァが次の言葉を紡ぐよりさきに、何かに突き飛ばされた感触をおぼえたA。
ノヴァの言葉が聞こえない。
意識が自然と遠くなる。
倒れかける身体を支えようとした時だ、
[無茶ばかりするなぁ、]
とここにはいないはずの姿が見た。
「…ミーシャ!」
手を伸ばすが、それは叶わなかった。
まるでゴーストでも触っているような冷たい感触。
この感触は前にも味わっている。
グレイ・レディに通り抜けられる、あの冷水を全身に浴びるような悪寒。
三つ目のミーシャは微笑んで居た。
[駄目だろ?
俺はもうその名前は持たない、、
それに、俺はお前に用があってきたんじゃない。]
スッとミーシャの爪が真っ直ぐ、Aに向けられた。
「約束通り逢いに来た。
ケイティ。」
すごく柔らかな雰囲気で言うものだから、Aは思わずどきりとした。
不覚にもミーシャの背に人の気配を感じてしまうほど。
「(ケイティ・フレッチャーは、ローレンス・フレッチャーの孫娘、、
でも実の娘はマーシェリーしか居ないはず、、
なら、私は一体。)」
ずっと疑問だった。
ずっと不思議だった。
ずっと引っかかって居た。
ブラック家を憎む父が純血主義であること
ブラック家を疎んでいる母が、Aにブラックの名前を残したこと
人に乗っ取られる事を受け入れてしまう体と、反発を引き起こす熱を帯びる矛盾した身体のこと
三つ目とミレッジ兄弟のこと
ケイティという少女の死と、ローレンス・フレッチャーの関係
一つの事件にいるのに相反する被害者と加害者
ノヴァに手紙を送り、クリーチャーを差し向け、ブラック家の名前をちらつかせながら決して安易にその座に飛びつかせない”黒幕“
謎が多すぎた
全てが矛盾して居た
みんながみんな嘘つきにすら見えた。
でも、ここに嘘つきが居なかったら?
「あ、、もしかして、」
Aの脳裏に何かが浮かんだ。
もしもこれが成立したのなら。。。
「与えられるものを当然のように受け入れ、愛される大切さを知らんものは最後に全てを失うのだ。
よく、覚えておきなさい。」
祖父、ギルバートの声がAの脳裏に響く。
もしも、これが最後の穴を埋めるピースだとしたら。
「ねえ、もしかして貴方。。。」
幻想のようにふっと現れたミーシャに、Aは手を伸ばす。
「もしかして、、」
語りかけるように言いかけたその時だった。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ふふ、ありがとうございます。まだ成長しきれない感じが伝わるように書きました。これからどう変わって行くのか、どうか見守っていただけると助かります。 (2019年9月12日 8時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 本日、引き続き読ませて頂きました。鷹の寮生らしく孤高で他人に頼らずに主体で好み。鷹の石像と会話をする場面も。 (2019年9月12日 7時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» そうですね、一歩一歩着実に。でも自分の領域は自分なりに守る。そんな考えを残しつつ、主人公が自分のプライドと並行して、何をどう変えて行くのかを伝えられたらと思っていまsy、ありがとうございます。 (2019年9月6日 3時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - まだまだ読み続けているベルモットです。この夢小説は説明文や状況説明など細かく書かれていて、ハリーポッターの世界観が滲み出ていました。鷹の寮生らしく夢主は健気ですね。 (2019年9月5日 23時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - crossmarian4272さん» ありがとうございます!更新頻度が少なく申し訳ないのですが、これからも楽しみしていてください。宜しくお願いします。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:iraiza | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月29日 22時