200 the Goblet of Fire ページ1
「＿＿＿え。あの人が…マグルを？」
Aは信じられないと言う表情をしていた。
はっきりと純血主義だと言ったことはないが、学者として方々に顔が知られている上に、あのルシウスとも知り合いなのだ。
てっきり、純血主義だと思っていた。
そう、Aはそう自分で思い込んでいた。
Aの発言に、シリウスは少しだけ眉をひそめた。
「あのマーシェリーの子だと言うから多少は期待していたが、やはりブラックの血は争えんか。」
「な、私は別に。「でもマーシェリーのことは何も知らなかった。違うか？」
凄みのある瞳で睨まれたAはぐっと息を詰まらせた。
何も知らなかったAもまた罪なのかもしれないが、それでも…それならどうして…
「どうして父の元に…」
ロビンソンの出身はスリザリンだった。彼が相当の役者でない限り、彼もまた純血主義のはずだ。
Aは恐る恐ると言った調子でシリウスの顔を見上げると
「ああ、そうさ。
君の父親はまぎれもない純血主義だ。」
苦々しげな表情だった。
Aは混乱しそうな頭を一旦整理した。
シリウスが望まぬ結婚と言っていた時点である程度は察するべきだった。
だがそれは、あくまでも相手の、こう言ってはあれだが問題の範囲マーシェリーの好きか嫌いか、その程度の問題だと思っていたのだ。
だが、マーシェリーの出身がブラックで、彼女の元婚約者はマグルで、Aの父親はまぎれもない純血主義で、それなら…どうしてあの二人は双子を授かったのか…
Aの混乱が手に取るようにわかっていたのだろう、シリウスは黙ってAを見つめ、ポンと静かにAの肩に手を置いた。
「君がこれから先どうしようと君の勝手だがな…
ハリーを危険な目だけには合わせるなよ。」
凄みのある視線だった。
ハリー曰く彼はハリーにとっての名付け親らしい。
ハリーにどう言う生い立ちがあるかは、Aだっていろんな人から話を聞いたから知ってはいるが、シリウスの目を見て、それはもう一度疑うべきだとAは確信した。
そして一つ後悔をして、これからすべきことが一つわかった。
「…お前さんの両親は思った以上にお前さんを思っている。」
その言葉はまさにAにとっては図星だった。
あの時、怒りに任せてノーブルを行かせるんじゃなかったと後悔する。
いやもっと前から、この後悔をわかっていたから、ギルバートにも頼ることができなかったのではないだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 95人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ふふ、ありがとうございます。まだ成長しきれない感じが伝わるように書きました。これからどう変わって行くのか、どうか見守っていただけると助かります。 (2019年9月12日 8時) (
レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 本日、引き続き読ませて頂きました。鷹の寮生らしく孤高で他人に頼らずに主体で好み。鷹の石像と会話をする場面も。 (2019年9月12日 7時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» そうですね、一歩一歩着実に。でも自分の領域は自分なりに守る。そんな考えを残しつつ、主人公が自分のプライドと並行して、何をどう変えて行くのかを伝えられたらと思っていまsy、ありがとうございます。 (2019年9月6日 3時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - まだまだ読み続けているベルモットです。この夢小説は説明文や状況説明など細かく書かれていて、ハリーポッターの世界観が滲み出ていました。鷹の寮生らしく夢主は健気ですね。 (2019年9月5日 23時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - crossmarian4272さん» ありがとうございます！更新頻度が少なく申し訳ないのですが、これからも楽しみしていてください。宜しくお願いします。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｉｒａｉｚａ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月29日 22時
