205 Passing each other ページ6
初めて、兄弟らしく触れられたAは、間違いなくこのノヴァが自分の兄弟なのだと確信していた。
彼は終始穏やかだったが、Aの話をそんな想いで聞いていたとは…
Aはノヴァの気持ちを受け止める術がわからなかったが、それでも肩を抱きしめているうちにノヴァの震えは止まった。
「…僕らの両親は僕らになにをしたいんだろうな。」
ぽつりと溢れた言葉にAは全くだと心の中で同意した。
「答え合わせ…するまでもなかったわね。」
初めて知り合った時は、あんなにも警戒していたのに、時間というものは恐ろしいものだ。
「答え合わせ…そうかそんなふうに思っていたのか…
僕もそうだな。」
柔らかな言葉に、声に、二人はふふっとどちらともなく笑った。
もういいよ、と言ってAの両肩をそっと押した。
「…これが僕の妹か…」
「え？私が妹なの？」
「そうっぽくないか？」
意外とアバウトな性格でふっと思わず笑みがこぼれるA。
「まあ別にいいけれど。。。
じゃあ、兄さんって私は呼べばいいのかしらね。」
なんだか不思議な感じ、とこぼすAに、僕もだなあとノヴァはのんびりとした声で返した。
「改めていうよ。八つ当たりしてごめん。
ローレンス・フレッチャーは僕の方でも探してみるよ。
君の話を聞く限りじゃ、被害者なのか加害者なのかはっきりしないけど、騒動の渦中にいたことは確かなんだろうし、
なにかしらの手がかりはあるだろう。」
意外とあっさりと見当をつけるノヴァに、Aもそうねと返した。
「後、ギルバートっていう人についてよく知らないんだけど。」
「ああ。
彼は私のお爺様でとにかく偏屈な方だったわ。」
「だった？」
「ええ、最近はそんなこともなくなってきたんだけど…」
言いづらそうに言葉を選ぶ彼女に、ノヴァはそうか、と肩をすくめて笑った。
Aは先ほどノヴァが告げた言葉が気になって問いかけた。
「ねえ、やっぱりブラックの名前を名乗りたい？」
「名乗りたいというか、名乗らなきゃならないような気がする。」
「別にあなたみたいに賢い人なら家に縛られることなくていいと思うけれど。」
「それは、こっちのセリフだよ。」
となぜかノヴァは柔らかく笑った。
「さっきまではオースティンの姓を名乗りたくなかっただけど…今話していて今思ったよ。
君はブラック家を名乗らないほうがいい。
君こそ縛られる人じゃない。」
と言ってノヴァはさやわやかに微笑んだのだ。
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イライザ(プロフ) - ベルモットさん» ふふ、ありがとうございます。まだ成長しきれない感じが伝わるように書きました。これからどう変わって行くのか、どうか見守っていただけると助かります。 (2019年9月12日 8時) (
レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 本日、引き続き読ませて頂きました。鷹の寮生らしく孤高で他人に頼らずに主体で好み。鷹の石像と会話をする場面も。 (2019年9月12日 7時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - ベルモットさん» そうですね、一歩一歩着実に。でも自分の領域は自分なりに守る。そんな考えを残しつつ、主人公が自分のプライドと並行して、何をどう変えて行くのかを伝えられたらと思っていまsy、ありがとうございます。 (2019年9月6日 3時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - まだまだ読み続けているベルモットです。この夢小説は説明文や状況説明など細かく書かれていて、ハリーポッターの世界観が滲み出ていました。鷹の寮生らしく夢主は健気ですね。 (2019年9月5日 23時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
イライザ(プロフ) - crossmarian4272さん» ありがとうございます！更新頻度が少なく申し訳ないのですが、これからも楽しみしていてください。宜しくお願いします。 (2019年8月9日 21時) (レス) id: 546c85bffe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｉｒａｉｚａ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年7月29日 22時
