甚爾は私の弟ですが【呪術廻戦】

「No.06」『夕飯について』 ページ6

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『もしもし？
　禪院Aです』

「あ、Aさん
　父さんなら今いませんけど」

『大丈夫、今日は甚爾に用無いから
　今からそっち行っても良いかな？』

「なんでですか」

『夕飯作りに行かせて下さい』

「俺たちで出来ます」

『いーのいーの、やらせて
　って訳で、待っててね！』


なぜこうなったか。

さっき甚爾に、家へ早く帰れ。

的なことを言ったは良い物の、
ご飯準備しないかも知れないので作りに行きます。

というのは建前に近く、
愛しの姪と甥に会いに行きます。


『レッツクッキング！』

「…何作るんですか」

『肉じゃがだよ』

「……そうですか」


恵くん、その顔は何だい。

嫌そうというか、やりたくなさそうというか。

嫌いな食べ物入ってるのかな。


『え、嫌だった？』

「そうじゃないですけど、皮むき苦手で」


なるほど。

そりゃそうだ。

小学1年生だもんね、恵くん。


『なら私やるね！
　恵くんはお米研いでくれる？ 2合半』

「Aさん食べて行くんですか？」

『甚爾の分だよ
　今日は確実に帰って来るから』


…本当は私も食べたいけれど。

親子で過ごす時間も大切だから。

私も食べたいけど。


『あ、玉ねぎ目に染みるっ
　逃げて逃げて』

「えっ
　あ、もう遅かったです」

「ただいま！」

『津美紀ちゃん、おかえり
　玉ねぎ切ってるからこっち来ない方が良いよ』

「え、Aさん！？」

『来ちゃダメだって染みるから』

「えっ？ あ、もう遅いです」


とお決まりの玉ねぎ事件(？)も起こり、
わちゃわちゃと肉じゃがを作りました。

1番のファインプレイヤーは恵くん。

砂糖と塩を間違えて入れそうになったのを
止めてくれたので。


『おじゃましました』

「本当にありがとうございました！」

『いえいえ、美味しく食べてね』

「…また来て下さいね」

『うん、勿論！』


勿論、かぁ。

私らが言っちゃ行けない言葉。

明日は必ず来る。

だからと言って
その世界に自分がいるとは限らない。


『甚爾、美味しく食べてくれるかな』


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