甚爾は私の弟ですが【呪術廻戦】

「No.03」『元気について』 ページ3

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任務が終わったので甚爾のところへ行こうと思う。

唐突で、突然。

思い立ったら直ぐやる課なのだ。


『みたいな感じで会いに来たんだけどさ、甚爾
　元気してる？』

「元気は別にするしないってもんじゃねーだろ」

『…そんな顔しないでよ』


そういえば、目すら合わせてくれてないよね。

目を合わせて喋るのは人の基本だよ。

という言葉は何とか飲み込んだけれども。


「今日は何だよ」

『うーん、特にないって言ったら？』

「っつー時は特にねぇーんだろ」


＿＿と言ったら。

そう言いたいなら言えば良いのに。

と、この台詞に対して何回思った事か。


『そうでもないんだなぁ、それが
　そんな台詞言う訳ないじゃん
　まだまだだね、甚爾』

「いや、あるなら早く言えよ」

『恒例行事化させたいんだけど甚爾の生存確認』


今日は記念すべき第1回目なのである。

今日は映えある第1回目なのである。

……まぁ、重ねて言うくらい大事な第1回目なのだ。


「あ゛？」


納得いってないらしい。


『ん？』


応戦しよう。


「は？」

『手、出して』

「何言ってんだ？ 姉貴、大丈夫か？」

『心配無用だよ、甚爾』


別に誰かを意識してる訳じゃないし。

挙げ句の果てに、弟に心配されるし。

だからといって、心配される必要はないのだけれど。

怪訝そうに私を見てる甚爾に言う。


『手、出して』

「だから、それが意味分かんねぇっつってんだよ」

『照れないでよ』

「誰が照れるかこんなんで
　…ん」


わー。

手の大きさが一回り違う。

…手袋探すの大変だろうな。

…これが俗に言う手袋難民というやつか。


「で、これが何なんだよ」

『生きてるなぁって感じるでしょ』

「今時、小学生でもそんな事言わないだろ」

『でもまぁ良いんだ
　会うための口実だと思ってくれても』


なんてね。

と。

はぐらかすのも楽しい。

どれが本音でどれが嘘か。

知っているのは私だけで良い。


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