一方通行【不死川実弥】

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「風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎィ！！」




『蛇の呼吸 弐ノ型 狭頭の毒牙！！』






さすが、
よく手合わせをしてもらっていただけあって
タイミングもバッチリだ。







ｷﾞｬｱｱｱ！という叫びとともに塵になる鬼。
不死川さんとの合同任務、これにて終了である。
隠に引き継ぎをして、彼の方を向く。









『ありがとうございました、不死川さん。』






「……お疲れェ」



それだけ言って、足早に去ろうとする。









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…もう、いつまで逃げる気なんですか。



『待って、不死川さん！』



彼の手首をしっかりと掴んで引き止めた。
振り払われようとはしないものの、



「…離せやァ、」と迷惑そうな声音。







私、ﾈﾁﾈﾁしつこい星人の伊黒小芭内の継子ですよ？
そんな態度されたからって
諦めるわけないでしょう？






『なんで避けようとするんですか？
……私、この前のことちゃんと覚えてますよ。』





「……うるせェ。」









…ああそうですか！
この期に及んでそんな態度なんですね！
さすがの私も怒りましたよ！
柱相手？うるせえんなもん知るかボケ！









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『……不死川さんのバカ！
私の好きな人が誰か知ってるくせに！
そっちだって好きでたまらないくせに！
嬉しくて仕方ないくせに！
けどもういいです！そんな態度ばっか取るなら
もう知らない！宇髄さんの嫁になるから！
不死川さんのバーカバーカ！』






言いたいことを全部言って
逃げるように走り去ろうとした。









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さすが風柱、とでも言おうか。









後ろから凄まじい突風とともに腕を捕まれ、
私の体を反転させた彼は
自身の胸元に私の顔を埋めた。
そして力強く抱き締め、離してくれない。









「…随分、言ってくれるじゃねェか。」








高鳴る胸の音が聞こえてくる。
私のよりも、ずっと緊張している音だ。

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