例のアソコ ページ20
A殿
お前の弟子たちが無事最終選別から戻った事をこの手紙に記そう。
錆兎は瀕死であったが、義勇が背負って戻って来た。
本人達はお前を探して旅に出ると傷もいえぬまま旅立とうとしている。
再会が叶えば、しっかり稽古をつけてやれ。
次期柱候補として、継子としてお前の側に置いてやってくれ。
体には気おつけろ...と、言いたいところだが、病気とは無縁だったな。
次があるなら、またゆっくりと話をしよう。
鱗滝左近次
ーーー
煉獄の屋敷に義勇と錆兎を連れて帰れば伏せていた手紙に手を取った。
暫くして手紙から顔を上げれば目の前には煉獄、義勇、錆兎が正座をしてジッとAを見ていた。
煉獄「まさかとは思うが、"例のアソコ"で二人の面倒を見る訳では...ないよな?」
煉獄のアソコとは言わずと知れた牢屋である。
それもAの血がベットリと部屋中についた...
A「・・・」
図星をつかれたと言いたげな表情で黙り込むAに煉獄は顔を真っ青にさせる。
そして錆兎と義勇の肩に手を置けば...
煉獄「困ったときはいつでも俺を頼るといい!些細な事でもいい!あまり溜め込んでいると心を病んでしまうぞ!」
と本当に心配そうに声をかけた。
この数日前。
実は任務がたまたま一緒になった実弥が夜も遅いので家まで送り届けると聞かなかった事があり、Aの家という名の牢屋に連れて行ったのだ。
入り口の扉には、
ーーぶっ殺すーー
と血で書かれた文字があり実弥は胃を痛めた。
そして中まで見せれば完全に心を病んで帰ったらしい。
そしてそれを聞いた他の柱は実弥の御見舞にみんなが出向いたらしい...。
それがあってから数日後。
まさかのAがまだ入って間もない隊士である義勇と錆兎を牢屋に連れ込もうというのだから煉獄も胃がキリキリし始めた。
錆兎「そんなに酷いのか...」
義勇「・・・」
煉獄の様子をうかがいながら明らかにヤバイ雰囲気を察した錆兎と義勇は正直Aについていくのが怖くなった。
A「鍛錬の一環だと思えば...」
煉獄「いや!あれはただの地獄だ!悪い事は言わないから俺の屋敷で暫く住むといい!お館様に屋敷を用意してもらえないか俺が頼んでみよう!」
世話焼きな煉獄にとても好印象を持った義勇と錆兎であった...
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ZERO(プロフ) - めっちゃこの作品好きです!これからも頑張ってください! (2020年12月29日 18時) (レス) id: 1263adbeae (このIDを非表示/違反報告)
たんこぶ - ああぁぁ…この作品ドストライクすぎてヤバイ…好き…高評価一回じゃ足りない…! (2019年9月1日 1時) (レス) id: abf8cccd28 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - いえいえ!こんな素晴らしい作品を読めるなんて私は幸せ者です!応援しています! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 7c173ad1c5 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - 初コメ失礼します!すごく面白くて好きです!これからも頑張ってください! (2019年8月20日 17時) (レス) id: 7c173ad1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2019年8月19日 13時