当たり前 ページ21
真希side
禪院家での日々絶望しながら生きていたとき、散々ボコスカ殴ってきてた直哉から一人の子供を紹介された。
2，3歳くらいで私達よりもまだ小さいのに体中あざだらけ。
私はその姿に恐怖すら感じた。
蒼汰という名前だと直哉から聞いて、合うたびに真依は"そうちゃん"と呼んだし、私は蒼汰と気軽に呼んだ。
蒼汰はそんなにあざだらけなのに明るかった。
お日様みたいに暖かかった。
蒼汰がそう育っているのは、母親のおかげなのだと本人から聞いた。
優しくて、泣き虫だけど強い、といつも話すときの話題は蒼汰の母親。
心の底から、私も真依もそんな母親が羨ましかった。
でも、ある時から蒼汰が私達に会いにこなくなった。
噂によれば蒼汰の母親も禪院家から姿を消したと聞いた。
すごいな...羨ましい...
禪院から我が子を連れて逃げてくれるような優しい母親に恵まれた蒼汰が...ただ羨ましかった。
その日から真依は頻繁に泣くようになった。
私も心が折れそうだった。
自分たちは蒼汰とは違う。
何にも"恵まれなかった"人間だからと言い聞かせた。
直哉「なぁ、俺が家出るって言うたらついてくるか？」
ある時、唐突にそう問いかけたのは直哉だった。
前までは散々人を痛めつけておいて今更...
酷い目に合わせられるに決まってる。
そう思う一方で、もし本当に家の外に出られるなら...
結局私達の気持ちは後者が勝った。
そしてつれて来られたのは小さいアパート。
その一室に置いていかれれば中には女性がいた。
すぐに分かった。
蒼汰の母親だった。
たった数度遠目に見たことがあった程度。
でも、二人とも確かに分かった。
その日から私達の生活は変わった。
通ったこともない小学校に通い、殴られる事もなければ稽古に通わされる事もなく、公園でただ鬼ごっこをしてヘトヘトになって帰るという当たり前を手に入れた。
でも、一つだけ聞けないでいたことがある。
伏黒家にある仏壇。
直哉も伏黒家を訪れればお線香をあげてたし、恵や津美紀も学校に行く前、帰ってきた後はよくお線香をあげてる。
だから、直哉に聞いた。
あれは誰にお線香をあげているのかって。
そしたら曖昧に笑ってごまかされた。
でも、母さんがお線香をあげているのを見たとき、直ぐにわかった。
この場に蒼汰がいないのも、寝ているときに見る蒼汰との存在しない記憶も、みんながそんな顔をする理由も。
みんながあげてる線香は...蒼汰に対してなんじゃないかって...
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お松 - クォーターオモロｗｗいやーまじでこれ好き♡更新頑張ってください！ (11月25日 17時) (
レス) @page20 id: f0ee455632 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - ドンピシャハマりました🙇♀マジでめっちゃ好きです！！他の作品も見せてもらっていますがどれも最高です✨後、七海のワタシ、クォーターのところめっちゃ好きですww吹いちゃいましたww本当に最高です✨更新頑張ってください❗ (8月7日 9時) (レス) @page21 id: 90fd568f40 (このIDを非表示/違反報告)
わんだほーい！ - すごく好きです！更新がんばってください！！ (8月6日 4時) (レス) @page17 id: 387c9e438b (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - シリアスにゴリラは強過ぎて笑いました！ (8月5日 17時) (レス) @page18 id: e3fdbdb203 (このIDを非表示/違反報告)
一般星人 - イケメンが増える増える…頑張ってください！ (8月5日 14時) (レス) id: 68366e79b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊織 凛 | 作成日時：2023年8月2日 4時
