五条先生のマッチングアプリで知り合った彼女 (ページ6)

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信頼ページ6

Aside

日曜日も騎乗依頼があって、仕事を終えて帰ったのは月曜日の朝方。
まだ眠そうにしている馬たちは私が帰ってきたのに気づくとノッソリと向かってきた。

A「出迎えありがと〜ね」

「まだ寝てて」と優しく撫でればそれぞれ元に戻っていった。

ｷﾞｭｯ

悟「僕もお出迎えしたんだけど撫でてくれないの？」

突然後ろから抱きしめられるのはもういつもの事で、まわされた手に手を重ねれば悟さんは私の首に顔を埋めた。

A「悟さんもお疲れ様です。お出迎え、嬉しいです！」

ﾁｭｯ

頬にキスをすれば「なんで口じゃないの！？」と驚いたように騒ぐ悟さん。
それがなんだか可愛らしくて笑ってしまったけど、そうすればｶﾞｯｼﾘ抱きしめる手を強められて長〜いキスをされたのは言うまでもない...。

悟「元気出た？ごめんね、不機嫌になって高専出ちゃったから不安にさせて」

悟さんは、とても素直な人でそんな姿にいつもほっこりした。

A「いえ！私こそ...プロ意識が足りなかったです。私のグッズとかも色々出て、その収益もすごい額だって聞いてたのに...変な報道されたらそれが下がるかも、なんて考えにいたらなかったです。もちろん、悟さんだって他の誰かとご飯行くなんて良く思うはずありませんし」

そう言えば驚いたような顔をする悟さん。

悟「何言ってんの。僕はそこらの三流男に負けてると思ってないからそれはそうとして。違うでしょ？Aが今までずっと頑張って積み上げてきた信頼が揺らぐかもしれない。それは競馬関係者だけじゃなくてファンにとってもね」

そうだ、この業界はそういう業界だった...
また一つ不甲斐なさを感じていれば「でも」と悟さんは付け足した。

悟「自衛は確かに必要だけど、Aを食い物にしてやろうなんて考えてる奴らが悪いんだから、気にしなくていいよ。僕が何とかしてあげるから」

真っ直ぐ真剣に私の目を見てそういう悟さんにホッコリした。

A「やっぱり...悟さん、大好きです」ﾆｺｯ

不安な時は真っ直ぐ見て安心させてくれる。
落ち込んだときはいつだって笑わせてくれる。
私は何か悟さんに返せてるのかな？
そう思う日々だけど、

悟「もぉ〜！！何この子可愛過ぎっ！A、まだ朝早過ぎるし寝よ〜！」

A「悟さん、任務は大丈夫ですか？」

悟「知りません(真顔)」

悟さんを裏切らないように生きたいって日々思う。