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親子 ページ11

Aside

悟「え、お泊りに来るときは予定調整してるって...」

私の言葉に口角が上がる悟さん。
自分の手でペチペチと自分の頬を叩いているのだから驚いているのかな?

A「だから、」

悟「ダメだって!!ほら!さっさとお風呂行っておいでっ!!」

「大丈夫ですよ」と言おうとすれば悟さんに俵のように抱えられてお風呂場に連れて行かれた。
もちろん一人でポツン...







A「と、いうことがあったんですが、もしかして私...魅力ないんでしょうか」

甚爾「聞く相手間違えてるだろオマエ...」

恵「俺も聞かれたところで分かりませんよ...」

昨日のそんな出来事から気まずくて朝型(夜明け前)に高専に来ました。
馬たちの様子だけ見てこれから仕事に行こうとしていたところ、手合わせ中の仲良し親子を見つけたため聞いてみましたが...

A「そ、そうですか...すみません...」

私のお母さんも騎手だから、お父さんとはどんな感じだったのか聞いてみればいいじゃんって思うかもしれませんが、自分の親のそういう話を聞くのはチョットキビシイですよね...?

恵「Aさんは身体が資本の仕事ですからね。心配ではあります」

甚爾「嘘だな。俺の息子がそんな利口な訳ねぇ」

恵「誰の息子だ。俺に父親はいねぇ」

甚爾「遅めの反抗期かよ」

恵「年齢的にはドストライクだ」

やっぱり、心配なんですかね...

甚爾「というか、夏シーズンは中央競馬はレース少ねぇしOFFシーズンだろ」

恵「確かに...夏の重賞でパッと浮かぶのってG2の札幌記念くらいですし。それにAさん馬の世話ある関係でそんなところまで行きませんよね?」

はっ!!

A「有識者の方、流石ですね...!すっかり頭から抜け落ちていました!」

甚爾「いや、オマエ職業だろそれ」

暑さの関係で、重賞(G1を含むG3からG1の高額レースであり強い馬が集まる目玉のレース)は夏は少ない。開催地は、新潟・札幌・函館・小倉(福岡)とどれを取っても遠い...。
馬の世話を頼める人がいないので確実に何日か開ける必要がある遠出はできませんし...

A「ありがとうございました!」

私はルンルンで仕事に向かいました。
校門まで行けば伊地知さんが今空いているそうで駅まで送ってくれるとのこと。本当にお優しい...

A「はっ!飲水とご飯、あと空調etc...!夏どころか、冬までに色々買わないと!」

伊地知「お疲れ様です...」

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作者名:伊織 凛 | 作成日時:2023年6月18日 15時

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