検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:55,969 hit

「動き始めた感情」:2 ページ8

「ハヤトが嫌だったら、もちろんやめるよ。…それで、答えを聞かせてほしいんだ」

じっと二人が私の目を見つめる。


今までの思い出が、頭に呼び起されていく。

二人と過ごした楽しいことも、全部。

そして何よりも、Aさんとの思い出が輝いて。

彼女の鈴の鳴るような明るい声が、花が咲くように笑う顔が。


貴女のその全てが___愛おしい。


だからこそ、貴女に伝えたい。この胸がはち切れそうな程の、高鳴るような初めての感情を。

貴女にもっと、私を見てほしい。何よりもかっこいいと思えるほどの私の姿を。


「___私は」

二人がじっと見つめる。その丸く光る眼に、私の顔が映り込んでいた。

「…Aさんに、私のライブを…見て、ほしいです」

ぐっと握り締めた拳を見て、そう告げた。

その言葉を聞いて、二人は驚いて___でもすぐに笑って。

「…ハヤトなら、そう言ってくれるって信じてたよ」

と、夕焼けに染まる笑顔を私に向けて、二人は安堵したように言ってくれた。

「でも、この三人だけじゃ足りないですよね?どうするんですか?」

「ふふ、それはもう既に手配してあるよ」

緑仙さんはそう言って何かを含んだように笑っていた。

「よし、ハヤトも承諾してくれたことだし…le_jouet、ここから忙しくなるぞー!!」

緑仙さんがそう言って拳を突き上げ、私と夢追さんもそれに続くように拳を突き上げる。

夕焼けに染まる部室に、三人の声が反響する。



___私の脳裏に浮かんでいたのは、Aさんの輝くような笑顔だった。

第十八話 「虹色の雨粒」:1→←第十七話 「動き始めた感情」:1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (80 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
102人がお気に入り
設定タグ:夢小説 , 加賀美ハヤト , 2434   
作品ジャンル:ラブコメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

こみ - 私もこの1年間高2A組だったのですごく嬉しかったです!幸せでした! (2021年4月4日 15時) (レス) id: a0adc0f2be (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - ばちぅ兼もてゃさん» こんにちは。コメント、そして読了ありがとうございます!続編の方は別のお話と同時進行の予定ですので、もうしばらくお待ちください。 (2020年6月20日 18時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
ばちぅ兼もてゃ - こんにちは...ばちぅ兼もてゃです...最初から最後まで全部読んでました、執筆お疲れ様でした!続編も楽しみにしてますね、もちろん読みます (2020年6月20日 18時) (レス) id: 603073c1b4 (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - 蒼渇さん» 蒼渇さん、コメントありがとうございます。楽しんで頂けたようで何よりです。よければこれからもお付き合い頂ければ励みになります。 (2020年6月2日 14時) (レス) id: 472e77b4e7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼渇(プロフ) - ひぇ…めちゃくちゃキュンって来ました…好きです!!!!!!!無理せず更新頑張って下さい! (2020年6月2日 10時) (レス) id: c685f96854 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:伊織 | 作成日時:2020年5月30日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。